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2016.11.30

【アジア選手権】即席撮影会にかさなった2007年のシーン

編集部こぼれ話

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10日前に幕を閉じたアジア選手権で、男子は2013年天津東アジア競技大会以来となる全冠(国別対抗、ダブルス、シングルス、ミックスダブルス)を果たした。最終日の11月20日(日)は、前日とはうってかわって11月と思えないほど暖かな陽気のなか、応援も一体となった熱戦が続き、日がとっぷりと暮れて肌寒くなっても、熱戦の余韻は続いていた。

ナイター照明に照らされた表彰式ではあちこちで歓喜の輪がはじけ、日本開催ということもあってたくさんのファンもメダリストを見守り、表彰式のあとにはチャンピオンたちにサインや写真撮影をねだる子供たちが列をなした。

高校生で初めてソフトテニス4大国際大会の金メダルを獲得した上松俊貴選手、ダブルスではそのペアとして金、さらにミックスダブルス、国別対抗と3冠を果たした船水颯人選手、国別対抗シングルス決勝で韓国のキム・ドンフンとファイナル12-10(G④-3)の死闘を繰り広げた増田健人選手など、たくさんの日本代表が、ファンの求めに応じていた。今大会では特に表彰式後、ファンとトップ選手の距離が従来以上に近く感じられ、驚かされた。

洋服にサインする増田健人選手

洋服にサインする増田健人選手

なかでも、船水颯人選手とその兄・雄太選手の兄弟が看板を前に即席の撮影会のようになっていた場面は印象的だった。私は会場を動き回っていて、ふと看板のあたりを見やるとそのような状態になっていたのだが、日本代表兄弟の前には、たくさんの子供たちが列を作っていた。順番が来た子は、ふたりの間におさまって、うれしそうに写真を撮ってもらったり、サインを書いてもらったり。

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看板の前のお二人(撮影・川口洋邦)

船水兄弟の即席撮影会が!(画像を一部加工しています)

船水兄弟の即席撮影会!(画像を一部加工しています)

そして、小さな男の子の番のとき、颯人選手がおもむろに自分の首にかけていた金メダルを男の子の首にかけてあげる場面に遭遇した。この場面を見たとき、今年1月に青森県黒石市を取材したときに見せていただいたある写真がパッと脳裏に浮かんできた。

それは、船水家にお借りした写真で、2007年の年末に篠原/小林ペアが青森県弘前市の大会に訪れた際、小学生だった颯人選手が一緒に撮ったという一枚だ。篠原選手は2007年世界選手権の国別対抗でシングルスを担い、金メダルを獲得していた。今年1月に発売した『熱中!ソフトテニス部Vol.33』で、船水兄弟の足跡を追った記事を掲載した際、その写真も掲載させていただいたのだが、篠原選手と小林選手の間に颯人選手がおり、金メダルをかけてもらって笑顔を見せていた。

あの時、日本代表の横で「ソフトテニスで世界一になりたい」と願っていた少年。それが9年の時を経て、夢を叶え、篠原/小林と同じ舞台で戦った。そして今度は写真を撮られる側になり、自分がされたように子供にメダルをかけてあげている。

なんて運命的なシーンだろうと思った。紆余曲折を経て日本での開催となり、さまざまな物語が生まれた2016アジア選手権。ここからまた、新しい物語が始まるかもしれない。

船水兄弟が子供たちに写真をお願いされているそばで実はインドネシアチームもいたのですが、どうやら雄太選手と写真を撮りたかった様子で、移動が近付きコートを後にしようとする雄太選手に写真をお願いしていました

船水兄弟が子供たちに写真をお願いされているそばで実はインドネシアチームもいたのですが、どうやら雄太選手と写真を撮りたくて待っていた(?)ようで、移動でコートを後にしようとする雄太選手に写真をお願いしていました

文・写真◎深作友子

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