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2017.05.09

【上松俊貴×内田理久】「私生活がしっかりしていないと勝てない、国体優勝で証明できた」#03(全4回)

WEB連載シリーズ『高校王者たちに聞く、勝つために必要なこと』◎早稲田大ルーキー対談

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高校生活のラストを締めくくる国体で優勝。内田理久の『勝つために必要な3つのこと』とは? 写真◎川口洋邦

高校シーンでトップに上り詰めたチャンピオンたちに『勝つために必要なこと』を聞くWEB連載シリーズ。

今春、早稲田大に入学した世代トップ前衛の上松俊貴(岡山理大附高卒)と内田理久(三重高卒)は、ともに中国地方出身で、小学生時代から全国の舞台で戦ってきたライバルであり、高校ではそれぞれインターハイ高校選抜で日本一の座を勝ち取っている。小中と全国制覇を成し遂げた2人にとっても、簡単ではなかったという高校の頂への過程で、どんな経験をしたのか。勝つために本当に必要な3つのこととは?

【上松×内田】対談(全4回)の第3回は勝つために必要な3つのこと、前編。

上松俊貴(早稲田大1年)
うえまつ・としき 1998年6月11日生まれ。岡山県出身。身長181cm、右利き、前衛。岡山Kids(小1)→岡山理大附中→岡山理大附高→早稲田大。2017年ナショナルチーム
高校時代の主なタイトル◎ハイジャパシングルス連覇(2015、16年)&ダブルス優勝(2016年)、インターハイ個人優勝(2016年)、アジア選手権ダブルス優勝(2016年)
内田理久(早稲田大1年)
うちだ・りく 1998年5月25日生まれ。島根県出身。身長179cm、左利き、前衛。浜田ジュニア(小1)→浜田第一中→三重高→早稲田大。2017年全日本U-20チーム
高校時代の主なタイトル◎高校選抜優勝(2015年)、国体優勝(2016年)

 

あきらめなければ何かが起こる

――高校時代に日本一を経験した2人に聞きます。高校で勝つために必要なことを3つ挙げてもらえますか。

上松 僕はまず『プレッシャーを楽しむこと』ですね。高1、高2と思うように勝てずにいたときは、プレッシャーを背負っていたというか、意識しすぎたというか。でも、そのプレッシャーの中でも勝たなくちゃいけない。となれば、自分がテニスを楽しくやればいいのではないかと切り替えたんです。

プレーヤーがテンション上げて楽しんでいれば、観ている人たちも楽しくなる。そういうふうに気持ちが変わると、大きい大会になればなるほど、自分が楽しめるようになってきました。だから、高3のインハイのときは、早くプレーしたくて仕方なかった。そういう気持ちにまで持っていけましたね。

観客に魅せるプレーと勝負の要所を押さえる的確なプレー。この2つができれば、相手は困る、僕はそう考えています。自分で勝つためにはどうしたらいいのかを考え、ようやくたどりついた答えです。

――続いて内田選手。

内田 僕は『最後まであきらめない』が、高校で勝っていくためには必要だと思います。僕が高2になる直前の高校選抜で優勝したときのことなのですが、決勝の上宮戦で1番に出た橋本(旭陽)/遠藤(爵由)が相手の3番手と対戦したんです。直前の私学大会で勝った相手だったので、第1試合は勝ってくれるのではないかと思っていたのですが、敗れてしまい……チーム全体が焦った。「厳しいな」とまずい雰囲気になって。

第2試合、上宮は内本(隆文)/岩本(修汰)、ウチは僕と田邉(雅人)だったのですが、「もうやるしかない」という気持ちになって、腹が据わったというか。それで僕らが勝ち、3番勝負でも先輩ペアが勝ってくれた。あのときは本当に感動しました。あの経験から、最後まであきらめなければ「何かが起きる」「奇跡が起きる」と思えるようになったんです。

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2015年の高校選抜決勝で、最後まであきらめなかった内田は上宮高の内本/岩本に0勝ち 写真◎江見洋子

信念を貫いたからインハイで優勝できた

上松 僕の『絶対的な自信を持っておく』は、中途半端な気持ちで迷ってしまうのではなく、常に徹底するということです。高3の1シーズンはとにかくクロスのポーチボレーに取り組んできました。

インターハイの個人戦では、高田商業ペアと4回対戦し、相手のベンチに座っている紙森(隆弘)先生には、僕が何を仕掛けるのか、バレてしまっていたはずです。でも、クロスのポーチボレーを捨てなかった。絶対的な武器として、このシーズンに取り組んできたものだから、貫きました。そうしたら、決勝のマッチポイントもクロスのポーチボレーで決められたんですよ。

――高3の1年を物語るような優勝でした。

上松 そう思います。迷いが出て、クロスのポーチボレーを貫かずに、ほかの作戦に変えていたら、優勝できなかったかもしれません。自信を持って最後まで貫いたから、インハイ個人優勝ができた気がします。

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2016年のインターハイ個人決勝、上松が勝利を決めたポーチボレー 写真◎川口洋邦

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地元岡山のインハイ個人を制してガッツポーズの上松(左)とペアの本倉健太郎(今春、明治大に進学) 写真◎川口洋邦

内田 僕の『テニス以外(私生活)の部分を確立する』は、三重高監督の玉川(裕司)先生がよく話されていたことで、「土台になるのが私生活で、その上にテニスが乗ってくる。だから、私生活がしっかりしていないとテニスも勝てない」。そのことについては、チームでも何度もミーティングをしました。全体を通しても、そのころのミーティングはテニス以外の話をすることが多かったですね。

高校最後の国体で優勝することができて、その優勝で報われました。土台となる私生活をしっかり築こうと努力し、その最終盤での優勝でしたから、高校でやってきたことは間違いではなかった。その優勝で証明できたと思いました。

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国体ではキャプテンを務めた内田。決勝の奈良戦(高田商業高)では、シングルスで先勝するなど、チームを牽引した 写真◎川口洋邦

上松俊貴の勝つために必要な3つのこと
プレッシャーを楽しむこと
絶対的な自信を持っておく
常に高い目標を持ち、挑戦し続ける
内田理久の勝つために必要な3つのこと
絶対に気持ちで相手に負けない
最後まであきらめない
テニス以外(私生活)の部分を確立する

次回、「高校で勝つために必要なこと」#04は5月16日に公開予定です。

取材・構成◎八木陽子

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