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プレー&コラム
2017.06.30

高校で、準備の大切さを学びました。 今は毎日、ガットをチェックしています。

WEB連載 私のガット論Vol.2 林田リコ[文大杉並3年]

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全日本シングルスは高2で2位(2016年)、高3で3位(2017年)。高校生としては傑出した存在。昨年のインターハイは個人&団体の二冠を達成した

林田リコ(文大杉並高3年)
はやしだ・りこ
◎1999年9月27日生まれ、17歳。右利き、後衛。
向原ジュニア→杉戸広島中→文大杉並校3年


つかんで離す――打つたびにボールに触れる唯一のギア、ガット(別名ストリング)は、ソフトテニスプレーヤーの第2の“てのひら”とも言える。“てのひら”だけに、トップ選手はガットに対してさまざまなこだわりを持っているはず……。

これまで、あえてフィーチャーしてこなかった『ガット』について根掘り葉掘り聞いたら、ガット道は想像以上に奥深かった。『俺のガット論』2回目は、昨年高校三冠を成し遂げ、今年は主将としてインターハイに臨む林田リコ(文大杉並)のこだわり。

小3から、同じガットを使っていまして……

――リコ選手は、どんなふうにガットを選んでいますか?
私の場合、ボールが当たったときのフィット感や音が大事なんですね。ハードヒット!とかでなく、思ったところに、思った回転をかけられるコントロールができるガットがいいなと思っています。

あとガットの色は白にしています。中体連のルールで、シューズ、靴下、ガット……と白にしなくてはいけなかったんです。そのルールが頭から抜けなくて、今でも白を使っています。初心を忘れないという気持ちもありますし。

――今、気に入って使っているガットは、いつから?
実はテニスを始めた小3のときからずっと同じなんです(笑)。最初、ジュニアクラブの先生が、ラケットもガットも選んでくださり、手張りで張ってくださっていて。それが使い安くて、今は……10年目ですね(笑)。

――後衛として、ガットに求めるポイントは?
ボールの走り方というか、生きているかどうかが、とても大事で。あと、打ったときの「パンッ」という音にもすごくこだわります!

音がいいとかって単純ですが(笑)、音によって(気持ちの)テンションやモチベーションも変わってきます! あと、今意識しているのは、生きたボールを打つためにも、回転がかかっていないとダメだなと。回転がかかっていないと生きたボールにならない。

中学時代は切れるまで使っていました

ちょっと話はそれますが、卓球はボールの回転がすごいですよね。ソフトテニスでもボールが吹かずにああいう回転がかからないかな? と。不可能かもしれないのですが、うまくボールがコートに入らなくて苦しくなったとき、しっかり回転がかかって落ちるボールが打てたら持ちこたえられるんじゃないのかなと思って。それに、卓球は今、国際大会で活躍して注目されていますし、悔しいなと(笑)。

――張り替えの頻度は? テンションなどは?
中学生ではガットが切れるまで使っていましたが、高校生になって試合に対する準備の大切さを教えていただいて、それからほぼ毎日、ガットの食い込みを確認するようになりました。

実は、高校に入ってラケット6本を持っていて、それを交換しながら使っているので、ガットが切れたことはないのです。切れる前に、予備のラケットと交換するので。それで、大会のときにストリンガーブースで張り替えていただくようにしています。

テンションは、最近28から30ポンドに変えました。小学校から中学、中学から高校へと変わっていく中で身体が大きくなって、ボールが飛び過ぎてしまったことがあって、そういうときにテンションを上げてきました。

2017年はナショナルチームに選出され、名実ともにトップ選手に

――ガットにまつわるエピソードなどは?
去年の岡山インターハイでのことなんですが、大会前にどんぐり北広島の皆さんと練習をさせていただいていたんです。やはり一般選手の皆さんとラリーしたこともあり、ボールが違って。ガットの食い込みもすごかったんです。だから、インハイ本番は予備ラケットを使って(笑)。

あの岡山インハイ(団体、個人2冠)では、ボールを打つ音がすごくよくて。人生で一番いいぐらい! その音とインパクトしてからのボールの走りが、今まで一番生きていた。ボール全部入る気がしていました!

今回、ガットについて考える機会をもらって思いました。当たり前のように使っているガットにすごくお世話になっているんだなと。よく考えてみると、ラケットやガットの種類、テンションなど、それぞれが自分の好みで作られているわけですから、世界で一本のもの。自分だけのマイラケットということですよね! 何だかスゴイですね!

ナショナル後衛・林田リコのガット論

①ボールが当たったときのフィット感や音が大事
②思った回転をかけられるコントロールを重視
③常に食い込みを意識し、切れる前に予備のラケットと交換

取材・文◎八木陽子

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