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プレー&コラム
2017.07.10

メントレは科学的根性論=科学的アプローチで自らやる気持ちを伸ばす手法

ソフトテニスに効くメンタルトレーニング講座Vol.21  講師◎大儀見浩介

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「ウチの選手、やる気がなくて」は4要素で分析

私はよく「ウチの選手たちはやる気がなくて」と監督やコーチに頼まれ、練習を見に行くことがあります。「やる気がない」「メンタルが弱い」といっても、チームによってさまざまです。私は、やる気を4つの要素で分析します。

やる気(競技意欲)
・忍耐力
・闘争心
・自己実現欲
・勝利意欲

忍耐力は我慢強さです。闘争心はここ一番の試合になればなるほどファイトが湧いてくるような状態を指します。自己実現欲は主体性を持って競技に取り組めているか。勝利意欲は負けん気とも言います。この4つのうち、チームに何が不足していて、何が過剰かを見るのです。

闘争心だけの人(チーム)はイライラしやすく、勝利意欲だけの人(チーム)は自分で自分にプレッシャーをかけすぎて自滅しやすいです。この4つは、多過ぎても少なすぎてもダメ。すべてがバランス良く、というのが理想です。

自分や選手の心理状態が知りたいという方には『心理的競技能力診断検査(DIPCA.3)』(トーヨーフィジカル)という心理テストをおススメしています。52の質問に答えると、いま現在の心理状態が「競技意欲」「精神の安定・集中」「自信」「作戦能力」「協調性」の5項目で数値化されるものです。

大声で叫ぶだけが根性じゃない!!

私は、メンタルトレーニングのことを『科学的な根性論』であると言っています。

気合いと根性に慣れ親しんだ日本のスポーツ界の指導者や選手に「根性とは何か」と聞くと、キツい練習や走り込み、理不尽な追い込みという答えが返ってきます。そんな人たちにメンタルトレーニングとは何かを分かってもらうためです。自分の根性とは何か、根性とはどういうものかを探り、分析し、それを上げていくようにしていくのが、メンタルトレーニングなのです。

「頑張れ」「できるぞ」と大声を出すのが、メンタルトレーニングだと思ったら、大間違いです。心は一人ひとり違いますから、大きな声とジェスチャーでウォッーと気合いを入れる人もいれば、内に闘志を秘めている人もいます。指導者の方々には、それをきちんと理解して指導に当たっていただきたいと思うのです。

指導者を100人集めて「根性とは?」と聞いたとします。答えは全員違うのではないでしょうか。でも、それはいいことです。問題は、その指導者が何十人という生徒に指導者一人の根性論を押しつけていることです。

子どもたちも、一人ひとり考えていることは違いますから、キツくなり、プレッシャーになって、辞めていってしまうのです。好きなことを一生懸命頑張っているのに、なぜ泣かせなければいけないのでしょうか。

世界の一流アスリートにとっての根性は、そのスポーツがいかに好きかという信念の強さだったり、自分自身が成長するための絶え間ない探究心であったりと、極めて能動的です。

メンタルトレーニングは、科学的アプローチを使って、自ら進んでやろうという気持ち(根性)を伸ばしてあげる手法なのです。

著者Profile 大儀見浩介●おおぎみ・こうすけ
東海大一中(現・東海大学付属翔洋高等学校中等部)サッカー部時代に全国優勝を経験。東海大一高ではサッカー部主将、東海大学進学後、高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング)を学び、現在はスポーツだけでなく、教育、受験対策、ビジネス、社員研修など、さまざまな分野でメンタルトレーニングを指導している。2012年、メンタルトレーニングを広く伝えるために「株式会社メンタリスタ」を立ち上げる。著書に『クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング』(フロムワン)、『勝つ人のメンタル~トップアスリートに学ぶ心を鍛える法』(日経プレミアシリーズ)。年間約250本の講演活動を行っている。

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