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2017.08.01

【インハイ秘話】メンバーが足りず棄権!? 危機を乗り越えて初戦突破、7人で団体戦に臨んだ名護

インターハイ2017◎7/22-29福島県会津若松市・会津総合運動公園テニスコート

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大会当日の朝まで出場が危ぶまれた名護。試合前、メンバーは笑顔を浮かべた

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3月まで部員はたった5人

インターハイ最終日の7月29日、女子団体戦1回戦の宇都宮短大附(栃木)-名護(沖縄)を前にしたメンバーチェックは、他とは少し様子が違っていた。

他校と同様、出場しないペアも含めて登録メンバー8人全員が並んだ宇都宮短大附に対し、名護は7人だけ。しかも1人はゼッケンをつけていない。それでも7人は、笑顔で田場典善監督の指示を聞くと、1番の友利瑠南/金城紬女がコートに向かった。

実は当日の朝まで、名護は団体戦に出場できるか分からなかった。棄権の危機を乗り越えて、ようやく迎えた晴れ舞台だった。

今回が4年連続出場の名護だが、「中学でソフトテニスをしていても、高校に入ると別の部活に進む子が多い」(田場監督)という地域の事情もあり、3月時点で部員は5人しかいなかった。だが、中学までソフトテニスをしていた新2年の金城佳奈が、4月から2年ぶりに競技に復帰。6人のメンバーで県総体を制し、インターハイの切符を勝ち取った。

ところが県総体のあと、メンバーの一人である仲村涼が体調不良でドクターストップがかかってしまう。6人いなければ、団体戦は棄権しなければならない。このピンチに田場監督は、2月まで部に在籍していた浦崎由美に「助っ人」を依頼。体調が回復し、プレーできる可能性がある仲村も含めた7人で、会津若松に向かうことになった。

ハチマキには「挑戦」の文字が

だが、さらなるアクシデントが。現地に出発する7月22日の朝、浦崎が左足首をねんざして、プレー不可能となってしまったのだ。これで仲村がプレーできなければ棄権だったが、団体戦当日の朝の検査で、仲村のドクターストップが解除。何とか6人の出場選手がそろい、ゼッケンをつけない浦崎を含めた7人で1回戦に臨むこととなった。

部員全員がメンバーなので、他校のようにスタンドからの控え部員の声援はない。それでも名護は個々の選手が大きな声を出し、躍動感あふれるプレーを見せた。1番の友利/金城(紬)はG④-1で先勝。2番の仲村/照屋綾音は0で敗れたものの、主将の新里すずと、4月に復帰したばかりの金城(佳)のペアが3番勝負をG④-1で制し、見事に初戦を突破した。

1番の友利/金城(紬)

試合中はベンチに座った5人が声援を送る

2番の仲村/照屋

7人でつかんだ勝利

2回戦で春の選抜優勝・第1シードの三重に敗れたものの、2012年大会以来の団体戦勝利に選手たちの表情は晴れやかだった。主将の新里は「ここに来るまでに、たくさんの先輩方や、その家族の方々が練習の相手をしてくれた。皆さんが支えてくれたことに感謝しています」と振り返る。「皆さんへの感謝の気持ちを込めて、みんなのために勝つ、という気持ちで戦いました」と語ったのは友利。金城(紬)は「支えてくれた方々が応援してくれているのを見て、本当に幸せだと感じながらプレーしていました」と言った。

初めてのインターハイに臨んだ仲村は、「この舞台に立てたのは、たくさんの方々のおかげ。楽しかったです」と語った。ベンチで見守った浦崎は「みんな楽しそうでした。助っ人としてはダメだったけれど、試合前の円陣にも入れてもらえたし、みんなと一緒に試合に臨むことができて、うれしかったです」と笑顔。田場監督も「練習してきたことを出し切りました。仲村のペアも2試合とも苦しい試合だったけれど、最後まで笑顔でプレーしていた」と評価した。

名護のメンバー7人

メンバー7人でつかんだ1勝。新チームのさらなる躍進が期待されるが、浦崎が本格復帰する予定はなく、残るメンバーは2年の仲村、照屋、金城(佳)だけ。「新しい部員を探さないと」とスカウトに名乗りを上げた友利をはじめとする3年生たちはあと少し、部のために働くことになりそうだ。

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取材・文◎石倉利英 写真◎井出秀人、川口洋邦、石倉利英

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