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プレー&コラム
2017.08.21

集中して勉強したい! テレビ、LINE、親etc.勉強トラップへの対応策を考える

ソフトテニスに効くメンタルトレーニング講座Vol.27  講師◎大儀見浩介

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今から○時まで勉強と宣言してスマホの電源を切る

学生のみなさんは、部活と勉強の両立のために、勉強でも集中力を求められることでしょう。勉強を始める前にまず、すべきなのは、勉強に集中するための環境を整えることです。「さあ始めよう」と机に向かったとき、LINEの通知がきて集中が切れてしまうというのはよくありますから、あらかじめLINEで「今から○時まで勉強!!」というメッセージを送って、すぐに電源を切ってしまいましょう。

他にも勉強中に集中が切れるケースとして多いのは、テレビの音が聞こえた、家族の声に気を取られた、夏は蚊がうるさい、というのがあります。私はかつて定期試験を控えた中学生に「家庭学習計画のジャマとなる要素」を調査したことがありますが、大きく4つのグループに分けることができました。

①テレビ大好きグループ
②親とのコミュニケーション不足グループ
③スマホ大好きグループ
④集中力散漫グループ

みなさんはどれに当てはまるでしょうか。それぞれの要素についての対処法も自分で考えてもらいます。その後、5人組のグループをつくり、ディスカッションをしながら、対応策の共通理解を図るのです。そんなやり方があるんだ、いいね、僕もマネしてみよう、というように、集中力をキープするコツを分かち合いつつ、勉強への前向きな姿勢を引き出すことにもつながります。

勉強しているうちに、どうしても飽きて集中が切れてきますから、その場合は休憩を取りましょう。テニスのときのように、休憩の前に、次に何から始めるかを決めて、スイッチをオフにします。勉強もテニスも、常に『先を決めてからリラックス、先を決めてからリラックス』です。

自分の課題を発見し、そこに注意を向ける力を!

他にも、集中を高めるトレーニングとしてグリットエクササイズを紹介しましょう。

グリットエクササイズ

上の図の00~99まで、制限時間内で何個消していけるかを競います。集中力を高めるルーティンを入れてから行ったときと、何もしないで行ったときの結果を比べてみたり、2人組になって、1回目は普通に、2回目はわざと質問したり、声で妨害しながら、行ってみます。さて、どんな差が出てくるでしょう。

ほとんどの場合、周りで何か言われると、スコアは低くなりますが、まれにうるさい状態でも、スコアが変わらないという人も出てくるわけです。声がうるさくても全部無視して、今すべきことを受け止め、自分のすべきことをやろうという、集中状態がつくれているのでしょうね。

練習でも勉強でも、大事なのは自分の課題が何かを発見し、そこに注意を向ける力です。なぜ今それをやる必要があるのか、意図目的を探り、それだったこうしてみよう、ああしてみようと工夫をする。そのうち、時間が経つのを忘れて、無我夢中になっていく。これが集中です。テニスも学習も、主体性を持ってやると、集中力がついてきます。

勉強の「ジャマ」とその対応策

①テレビ大好きグループ
・見たいテレビがある
・テレビの声が聞こえてやる気がなくなる

対応策
◎録画する
◎静かなところで勉強する
◎耳栓をする

②親とのコミュニケーション不足グループ
・勉強しているのに「早く寝ろ」と言われる
・勉強しようとして「早くやりなさい」と言われやる気をなくす

対応策
◎事前に親に勉強時間を伝える
◎早め早めに取り組む
◎自分のためだと素直に聞く

③スマホ大好きグループ
・LINEが気になってしまう
・SNSをついついチェック

対応策
◎スマホの電源オフ
◎テスト期間はスマホ禁止時間を友だちと決めておく

④集中力散漫グループ
・眠くなる
・面倒になってくる
・ついつい夜食に手が

対応策
◎一度中断してリフレッシュを入れる
◎優先順位を決めた紙を貼る
◎「負けない」と言い聞かせる

著者Profile 大儀見浩介●おおぎみ・こうすけ
東海大一中(現・東海大学付属翔洋高等学校中等部)サッカー部時代に全国優勝を経験。東海大一高ではサッカー部主将、東海大学進学後、高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング)を学び、現在はスポーツだけでなく、教育、受験対策、ビジネス、社員研修など、さまざまな分野でメンタルトレーニングを指導している。2012年、メンタルトレーニングを広く伝えるために「株式会社メンタリスタ」を立ち上げる。著書に『クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング』(フロムワン)、『勝つ人のメンタル~トップアスリートに学ぶ心を鍛える法』(日経プレミアシリーズ)。年間約250本の講演活動を行っている。

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