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プレー&コラム
2017.11.13

「練習でできるのに試合でできない」という人は、試合中の理想的な『間』の使い方を実践しよう

ソフトテニスに効くメンタルトレーニング講座Vol.37  講師◎大儀見浩介

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ソフトテニスも勉強も、先生や親に言われたから何となくやってるだけ。周りの反応が気になって自分の意見が言えない。そんな毎日じゃつまらないですよね。自分で決めて自分でやる人になる方法を教えます!

トップ選手は切り替え上手

やるべきことのプラン・プロセス化は、試合でのプレーにも直結します。

サービスを例に考えてみましょう。練習で入るのに、試合で入らなくなるのは、試合はいろんな要素が絡まりあってくるからです。観衆がいて、相手がいて、風が強い、ペアの様子、コーチの表情……いろんなことを考えてしまうから。

余計なことを考えず、そのときすべきことを、順序を立ててやればいいわけです。そのために、ソフトテニスの場合は間をうまく活用しましょう。

■理想的な間の使い方
①ペアとの確認
②自分自身のことを考える
③対戦相手のことを考える
④ルーティン
⑤打つ(プレーする)だけ

間でしっかり切り替えていくことで、集中が過剰にどこかに向いてしまう状態や、ほんやりしてしまうことを防ぎます。この切り替えが上手なのが、トップアスリートです。彼、彼女らは、今すべきことが常に明確なのです。

言われたことだけをやる人になってない?

Q.ミスするとペアの子にムスッとされたり、舌打ちされたりします。

質問者の方は、自分よりレベルの高いペアと組んでいるのでしょうね。ここで大事なのは、少し前のこと(ミスで舌打ち)を思い出しながらではなく、少し先にどうなるかを考えながらプレーすることです。『自分の課題がこうだから、そのためにこういうことをしよう、相手はこうだから……』というように、まず意識を自分に向けて、次に対戦相手に向けます。

質問者の方は、ペアを見て、そのあとに相手を見てしまっているのです。自分がどうするべきかと考える『間』がありません。①ペアとの確認⇒③対戦相手のことを考える、もしくは①ペアとの確認⇒⑤打つだけ、に飛んでしまっているんですね。すると、間で切り替えられず、どんどんキツい方向に行ってしまうわけです。

では、なぜ「自分自身のことを考える」が抜け落ちてしまうのでしょうか。原因を探っていくと、日常生活から受け身(受動的)であることが挙げられます。

■受け身の特徴
・普段から指示待ち状態
・自分自身の目標設定がない
・自分のプランを普段から持っていない
・言われたことだけを頑張りすぎている

当てはまることがあるのではないでしょうか。受動的とは、ただ決められたこと、言われたことをやるだけの状態です。

一方、主体性とは自分でプラン・プロセスを決めてやりきる力を持っている状態を指します。試合のときだけ主体的になることはできません。主体性は、コートの内外で養っていく必要があります。

著者Profile 大儀見浩介●おおぎみ・こうすけ
東海大一中(現・東海大学付属翔洋高等学校中等部)サッカー部時代に全国優勝を経験。東海大一高ではサッカー部主将、東海大学進学後、高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング)を学び、現在はスポーツだけでなく、教育、受験対策、ビジネス、社員研修など、さまざまな分野でメンタルトレーニングを指導している。2012年、メンタルトレーニングを広く伝えるために「株式会社メンタリスタ」を立ち上げる。著書に『クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング』(フロムワン)、『勝つ人のメンタル~トップアスリートに学ぶ心を鍛える法』(日経プレミアシリーズ)。年間約250本の講演活動を行っている。

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