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プレー&コラム
2017.12.04

ネガティブなのは自己肯定感が低いから。セルフモニタリングで自分を信じる力をつけよう

ソフトテニスに効くメンタルトレーニング講座Vol.40  講師◎大儀見浩介

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いつも指示待ち、自分に自信がなくて……。原因は自己肯定感が低いからかも。毎日365日、自分を観察する『セルフモニタリング』で目に見える自信を積み上げよう!

自分で自分を認められるようになる!

今回も「主体性」について考えます。主体性とは、自分でプラン・プロセスを決めてやりきる力を持っている状態だとお伝えしました。その反対は、いわゆる「指示待ち」だったり、言われたことだけを頑張りすぎている「受け身」の状態です。部活や勉強など、何事も主体性を持って取り組んでいくためには、日常生活から「言われる前にやる」「良いものをより良くする」努力が大切になってきます。

今回も、皆さんの質問を見ていきましょう。

Q.迷惑をかけてしまうからと、何に対してもネガティブです。

人間の心をポジティブとネガティブの2つに分けるのは不可能です。ポジティブ(プラス思考)とネガティブ(マイナス思考)の間には目盛(めもり)があって、ポジティブから即ネガティブに転じるのではなく、ポジティブなイメージが1目盛分下がった、不足していると表現しましょう。その上で、プラスの目盛を少しでも増やしていくようなトレーニングをしていけばいいわけです。

そして、「迷惑をかける」と必要以上に人目を気にしてしまうのは、自己肯定感の低さの表れでもあります。今回は、自分で自分を認められるようになるためのセルフモニタリングを紹介します。

努力の成果を目に見えるように積み上げる

セルフモニタリングとは、自分の行動や心の動きを映像や日誌に継続して記録し、観察するものです。部活生の場合、練習日誌を活用するといいでしょう。セルフモニタリングは、試合前の特別な時だけに行うのではなく、毎日365日、実施してください。ここではセルフモニタリングの質問を10項目挙げてみました。1問10点×10問を100点満点で採点してください。

◆セルフモニタリング10問(10問×10点=100点満点)

①今日の目標は達成できましたか
②心理的スキルは活用できましたか
③技術面の工夫はできましたか
④フィジカルのトレーニングコンディションはどうでしたか
⑤指導者とコミュニケーションは取れましたか
⑥チームメートやペアとコミュニケーションは取れましたか
⑦練習前後の工夫ができましたか
⑧競技力(パフォーマンス)を上げる情報は収集できましたか(本や雑誌などから)
⑨バランスの良い食事を取ることができましたか
⑩タイムマネジメントはできましたか(日常生活も含む)

質問に答える過程で、気づいたことや発見したことも練習日誌に書き留めていきます。点数は自己評価で構いません。最初は点をつけるのが難しく感じるかもしれませんが、続けるうちに要領をつかめてきます。

こうやって自己評価を数値化し、バイオグラフをつくることで、日々のコンディションのアップダウンを把握できるようになり、「試合に向けて調子が上がってきたな」「練習が受け身になっている。もっと意識しないと」と気づけるわけです。

数字が落ち始めてきたら、原因が何にあるのかを探ります。「フィジカルに問題があるのは、よく眠れていないから。寝る前にスマホの電源を切って寝る準備をしよう」「コンディションが崩れているから、食事に気を付けよう」というように、心技体トータルで考えていきます。

練習日誌を毎日つけていくと、自分の努力の成果を目に見えるように積み上げることができます。そうやって、自分を信じる力をつけていくことが大事なのです。


著者Profile 大儀見浩介●おおぎみ・こうすけ
東海大一中(現・東海大学付属翔洋高等学校中等部)サッカー部時代に全国優勝を経験。東海大一高ではサッカー部主将、東海大学進学後、高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング)を学び、現在はスポーツだけでなく、教育、受験対策、ビジネス、社員研修など、さまざまな分野でメンタルトレーニングを指導している。2012年、メンタルトレーニングを広く伝えるために「株式会社メンタリスタ」を立ち上げる。著書に『クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング』(フロムワン)、『勝つ人のメンタル~トップアスリートに学ぶ心を鍛える法』(日経プレミアシリーズ)。年間約250本の講演活動を行っている。

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