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プレー&コラム
2018.02.19

実力発揮の準備をすることで、勝つ可能性を高める。これが自信につながっていく

ソフトテニスに効くメンタルトレーニング講座Vol.45  講師◎大儀見浩介

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試合で絶体絶命のピンチ……。そんなとき、もう負けたとあきらめちゃダメですよ。できることはまだまだあります。ピンチをチャンスにする方法とは?

ピンチはチャンスで、チャンスもピンチ!?

ピンチがあるからこそ人は強くなれます。だからこそ、ピンチのときはスピードと勢いだけで乗り切ろうとせず、自分のペースでいまできることをやりきりましょう。ピンチはチャンスだと思えばいいんです。

逆を言えば、チャンスはピンチになることもあります。チャンスはピンチです(笑)。例えば、マッチポイントの場面で「あと1点だから」と油断したらやられてしまいますし、反対に力が入り過ぎて過緊張になるパターンもあります。そのときは両肩に筋弛緩法を入れてリラックスするのもいいですね。

※筋弛緩法=わざと筋肉に緊張状態をつくってから、スーッと力を抜くリラックス法。手順は「①両肩にグッと力を入れ、鼻からゆっくり息を吸って止める。②口からスーッと吐くと同時に力を抜く。③もう両肩にグッと力を入れて鼻から息を吸って緊張を感じてからスーッーと吐く」を2回。時間があるときは右手、左手、両足も行う。試合中は立ったまま、サービス前などちょっとした「間」で行う。イスに座りながらや、寝転がりながら行うと、よりリラックスを感じられる。

ピンチのときに自分がどうなって、何をすればいいのかを知っておけば、きちんと対処できるのです。では、ピンチに関して、みなさんの質問を見ていきましょう。

Q 前衛です。ビビッてしまうときの対処法を教えてください。

まずセルフトークです。「よし来い!」と思えるような声を出してみましょう。大丈夫、相手もきっと怖いですから(笑)。ボールが当たってしまうのも、ミスすることも、すべて受け入れて、そうなったら仕方ない、それよりももっと面白いことをやってやろうとプラスのイメージをつくるしかないです。ビビって腰が引けたり、猫背になるとよくないですから、姿勢やスタンスを確認してみましょう。

Q 「次にミスするかも……」とボレーするのが怖くなる。

質問者の方は、自分を見て、自分のミスのことばかり考えているのでは? 着眼点を変えてみます。試合で一番ダメなのは、ミスしたらどうしようと思ってミスしちゃうミスです。

そうではなく相手への意識を強くすべきでしょうね。「ここに落とせば相手が困る、相手が困ることをしよう」と考えて実行すればいいと思います。その上でミスするのは仕方がない。チャレンジしたミスはオッケーなんです。ペアにはプレーの意図をちゃんと説明すれば、分かってもらえるでしょう。相手からしてみたら、「俺たちのことをよく見て狙っているぞ」と脅威に感じるでしょうし、結果、相手を焦らせることができます。コイツ油断ならないぞと思わせれば、相手を心理的にも追い込めるわけです。

弱気への対処法はいまできることにチャレンジ

Q 負けていると消極的になってしまいます。

弱気になったときは「チャレンジ」するしかないですね。試合中、技術や体力は急にはつきませんが、心理面では、自分自身のいい部分を引き出すことができます。負けていることを認め、自分ができないことを考えるのではなく、できることをやり抜こうと考えればいいでしょう。

大切なのは『今負けてるぞ⇒このあと相手も体力が落ちてくる可能性がある⇒できることをやっていこう⇒しっかり揺さぶっていこう⇒緩急をつけていこう』というように、現在のプランを立てることです。試合に負けるのは少し先の未来。山に登っている最中に家に帰って洗濯するのが嫌だなと思っているようなものです(笑)。登っている間は、景色や自然を楽しんだ方がいい。弱気への対処法は、今できることにチャレンジです。

Q 大事な試合ほど緊張して勝てなくなる。

「勝たなきゃ」と結果を考えてしまうからでしょう。大切なのは自分の実力を発揮する準備をすることです。試合前に「早くテニスがしたいです」「早くウォーミングアップがしたいです」というのが選手のベストコメントなのですが、これが理想的な自信です。自信をつくっていくために、普段から準備をしていきます。実力発揮の準備=自信です。

オリンピックの話をすると、「金メダルを取る準備をする」というのは本来、おかしな言い方なんです。金メダルは相手との比較ですから、相手が強かったら取ることはできません。「雨が降らないという自信があります」というようなものです。自然は自分の力ではどうにもできないですから。「実力を発揮する準備ができている」というのが正しい言い方です。

×勝つことを考える
○勝つ可能性を高める

実力発揮の準備をすることで、勝つ可能性を高めることができます。ただし、自分の実力以上に、相手の実力が高かったら勝つことはできません。スポーツは、持っている力を最大限発揮し、強い選手が勝ち上がるのです。



著者Profile 大儀見浩介●おおぎみ・こうすけ
東海大一中(現・東海大学付属翔洋高等学校中等部)サッカー部時代に全国優勝を経験。東海大一高ではサッカー部主将、東海大学進学後、高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング)を学び、現在はスポーツだけでなく、教育、受験対策、ビジネス、社員研修など、さまざまな分野でメンタルトレーニングを指導している。2012年、メンタルトレーニングを広く伝えるために「株式会社メンタリスタ」を立ち上げる。著書に『クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング』(フロムワン)、『勝つ人のメンタル~トップアスリートに学ぶ心を鍛える法』(日経プレミアシリーズ)。年間約250本の講演活動を行っている。

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