ソフトテニスマガジン・ポータル

自分のルーティン、自分の呼吸を意識し、自分から集中をつくっていこう

集中は『切れちゃう』ではなく、『自分で切る』

★今月は22日発売!★ ソフトテニス・マガジン9月号は7月22日(土)発売です

前回前々回と、集中についてお伝えしてきましたが、集中力はどうしても切れやすいものです。しかし、相手やジャッジ、目の前のプレーによって切れてしまうのではなく、スイッチのように、自分で切り、自分で高めるようにしましょう。

Q.ゲーム中のリラックス方法は?
中2男子

テニスには間がたくさんあります。間で一度、集中を切るというのは大事です。ゲーム中だったら、屈伸をする、ガットを整える、スマイルをつくるなど。チェンジサイズ時は、水を飲む、靴ひもを結び直すなど、自分なりのリラックス方法を試してみてください。

ただし、リラックスする前に「さあ、今は○対○だな。よし次はこうやって打つぞ」と次のことを考えておくことをお忘れなく。一度リラックスして、もう一度集中に入ることをリフォーカスと言いますが、リラックスする前に次のことを考えておくと、また集中に入りやすくなるのです。

リラックス&集中、リラックス&集中の繰り返し

試合では、接戦になればなるほど、プレッシャーがかかります。間をうまく使えずに、焦って打ってしまったり、というケースが出てきがちです。そういうときこそ、リラックス&集中、リラックス&集中の流れを意識しましょう。試合で自分がペースを握っているときは、自分の間が使えているときであり、自分が集中しているときなのです。

自分の間をつくれている=自分から集中している

一方、相手のリズムになっているときは、相手が間を使うリズムに自分が合わせられていて、相手に集中させられている状態です。相手に操られ、受け身になってしまっています。

自分のペースに戻すには、次に相手がどんなことをしてくるかを感じて、先手を取って準備すればいいのです。相手がサービスを打つ前にスッと下がってみるなど……いわゆる、駆け引きですね。

レシーブのときも自分のルーティン、自分の呼吸を意識しましょう。自分から集中をつくっていくのが大切です。

集中に入りやすくなるコツ

自ら進んで行う
やる気にもつながってくるが、何のためにやっているのかを考えてみよう。よりよくなりたい、うまくなりたい、チャレンジしたいという気持ちだと集中に入りやすかったり、スムーズに気持ちの切り替えができたりする。やらされていて怒られるのが嫌だからとか、評価・結果のためにやっていると、競技を楽しめなくなってしまい、集中するのが難しい。

ミスのイメージを消す
「ミスしたら」「失敗したらどうしよう」となるのは、緊張しすぎが原因のことが多い。一度、ミスのイメージを頭から切り捨て、「次にこういうことをしよう」と自分のいいイメージをつくって、それを順を追ってこなしていくこと。「まず深呼吸、ボールを2回ついて、集中して、打つ」という風に。集中とは、いま現在に意図的に自分で意識を向けることだ。

パフォーマンスルーティンを行う
パフォーマンスルーティン(performance routine)とは、トップアスリートが行う集中力を高めるための儀式。集中力が必要なタイミングで、いつもと同じ手順・動作を行い、集中力を高めていく。ソフトテニスの選手の場合、サービスの際にボールをつく、深呼吸する、レシーブ時に足踏みをするなど。自分で決めたシンプルな動作を、呼吸を意識しながら、できるだけゆっくり行うこと。焦って動作が乱れたりすると、逆効果になることも。

著者Profile 大儀見浩介●おおぎみ・こうすけ
東海大一中(現・東海大学付属翔洋高等学校中等部)サッカー部時代に全国優勝を経験。東海大一高ではサッカー部主将、東海大学進学後、高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング)を学び、現在はスポーツだけでなく、教育、受験対策、ビジネス、社員研修など、さまざまな分野でメンタルトレーニングを指導している。2012年、メンタルトレーニングを広く伝えるために「株式会社メンタリスタ」を立ち上げる。著書に『クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング』(フロムワン)、『勝つ人のメンタル~トップアスリートに学ぶ心を鍛える法』(日経プレミアシリーズ)。年間約250本の講演活動を行っている。
ソフトテニスマガジン・ポータルTOPへ
モバイルバージョンを終了