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早稲田実業の同士討ちを吉田樹/飯干開生が制す!

同士討ち決勝を戦った早稲田実業。右2人が優勝の吉田 樹/飯干開生。左2人が準優勝の髙田淳貴/東家偉琉

東京都の高校生の個人戦・「東京選手権(2020Tokyo Thanks Match)」の男子の部は8月15日、都内の明法高校テニスコートで準々決勝から決勝までが行われた。この大会で引退の3年生や、1、2年生含む390ペア780人が、夏の東京の頂点を目指した。

密にならないよう複数会場、余裕を持った日程で行われた男子の部は、当初8月11日から14日までの4日間の予定だったが、13日に見舞われた雷雨の影響で中止試合が出て順延。13日に64強まで、14日に8強までを出し、最終日は朝9時15分から3面のうち1コートを開けた2コートを使い、準々決勝2対戦ずつ進行した。

新型コロナ感染予防対策として無観客で、応援等は不可。最終日の選手は8ペアのみで補助員もなしのため、審判も準決勝まで選手が務めた。例年の会場ならにぎやかな応援があっただろうが、ボールの音がコートに響きわたり、プレーが止まると静けさのなかにセミの声がこだまする独特の雰囲気のなか試合は進行した。

8強に駒大3、早稲田実業2、豊南2、日大豊山1ペア

8強に進出したのは駒大3ペア、早稲田実業2ペア、豊南2ペア、日大豊山1ペア。昨年のインハイ予選では東京都2位となり個人戦で全国を経験している早実の3年・吉田樹と1年・飯干開生のペアが飯塚幸雄/三上拓海(豊南)を1で、駒大同士討ちとなった対戦は粟野公耀/田嶋俊紀が3年生の意地を見せ金端(かなはし)亮利/赤塚健人の2年ペアを下し準決勝へ。

もう一方の山からは、昨年の国体選手選考会優勝ペアの豊南3年・増子祥真(※)/小坂一希が駒大ペアを1で、早実の1年ペア・髙田淳貴/東家偉琉(たける)が勢いを増し2で準決勝へ進んだ。
(※)祥真の祥の字はしめすへんのネが示になった旧漢字。

■準々決勝
吉田 樹③/飯干開生①(早実) ④ー1 飯塚幸雄③/三上拓海③(豊南)
粟野公耀③/田嶋俊紀③(駒大) ④ー0 金端亮利②/赤塚健人②(駒大)
増子祥真③/小坂一希③(豊南) ④ー1 新井颯太②/稲荷桂梧②(駒大)
髙田淳貴①/東家偉琉①(早実) ④ー2 中山稀隆③/高嶋大翔③(日大豊山)

吉田/飯干vs粟野/田嶋の準決勝はデュースとなった1G目、粟野/田嶋が2度のアドバンテージを取るも取りきれず、⑦ー5で吉田ペアが逆転すると、続く2G目のデュースも吉田ペアがものにし、流れをつかんで0で決勝へ。増子/小坂と髙田/東家はG1-1、G2-2と競り合うが、向かっていく姿勢で最後は髙田/東家がものにした。

■準決勝
吉田 樹③/飯干開生①(早実) ④ー0 粟野公耀③/田嶋俊紀③(駒大)
髙田淳貴①/東家偉琉①(早実) ④ー2 増子祥真③/小坂一希③(豊南)

決勝は早稲田実業同士討ち。昨年インハイ個人戦予選2位だった3年の吉田は「優勝して終わりたい」という気持ちが強かったという。後輩・髙田/東家はその吉田と「決勝で当たりたい」と目標にしていた。気迫満点の吉田に東家は「球が今まで以上に重かった、魂がこもっていた」と振り返ったが、吉田がリードする吉田/飯干が0で頂点に立った。

優勝した吉田(左)/飯干(早稲田実業)

■決 勝
吉田 樹③/飯干開生①(早実) ④ー0 髙田淳貴①/東家偉琉①(早実)

「いままで最後に負けることが多く、最後は優勝しようと気合を入れてやりました」と吉田。「緊張しましたが、(吉田先輩は)めっちゃ安定感があって負ける気がしなかったです」と飯干。吉田は後衛だが、これまで並行陣でダブル前衛のフォーメーションを取る経験もあり(昨年の2位の際は渡邉大凱/吉田というペアリング)、今年は1年生とのペアで雁行陣を軸に臨んだが、チャンスを見ては前に出るプレーも光った。
「吉田先輩は一緒に練習をするなかであこがれの先輩でした」と東家。お世話になった先輩とこの大会、目指した決勝で当たり、いい形で戦えたことは大きな財産になった。

準優勝の髙田(左)/東家(早稲田実業)

3位の粟野(左)/田嶋(駒大)。田嶋はチームのキャプテン

3位の増子(左)/小坂(豊南)。昨年の国体予選会優勝の実力ペア

5位の飯塚/三上(豊南)

5位の中山/高嶋(日大豊山)

5位の金端/赤塚(駒大)

5位の新井/稲荷(駒大)

その他結果詳細は東京都高体連ソフトテニス男子専門部HPへ。

取材◉深作友子 写真◉福地和男
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