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【三重とこわか大会2021・最終日】少年男子は唯一の3年生、岩﨑絢哉が牽引した香川県がV。成年男子はひたむきに戦った広島県が頂点へ

インターハイ団体王者の尽誠学園が少年を優勝した

  中止となった三重国体の代替大会として10月23日から開催されていた、三重とこわかソフトテニス大会2021。少年男子が24都道府県、成年男子が21都道府県、少年女子と成年女子は14都道府県の選抜チームが参加し、23日の予選リーグを経て、24日の決勝トーナメントで各クラスの王者が決まった。

少年男子は香川県が宮城県を下し優勝

 香川県は準々決勝で埼玉県を②−0で下すと、準決勝で石川県との対戦。1番に出た岩﨑絢哉/上田泰大が序盤から攻め、辻花陸/反保皐聖をG④-1で下す。続くシングルスの黒坂卓矢はツイストやチャンスで前に出て、ハイボレーやスマッシュを決めて、竹田凌との熱戦を制した。この試合で勢いに乗ると、決勝もオーダーを変えずに挑む。岩崎が先に攻めるテニスで、要所を上田が押さえ、東北の高橋海斗/佐藤亜結夢をG④-0で圧倒すると、最後は、黒坂が中村倖青との接戦を制しG④−2で2冠目を手にした。

 この日の勝利の立役者は3年生で唯一の出場、岩﨑だろう。前日は、リーグ2敗と苦しんだが、試合後、宿に戻るまで、11個のゴミを拾ってから帰ったことを明かした。「日頃の行いが試合に影響するかなと思いました。11と言う数字は、森(博朗)先生から1という数字こだわることを教わったからです。この行いが試合に良い影響を及ぼしたのかなと思います」と振り返った。

成年男子はNTT西日本の広島県がV

 成年男子は、広島県が総合力で勝利した。準決勝は地元・三重県戦だった。丸中大明/長江光一が1番に出ると、船水颯人/内田理久を、G1−3からまくって勝利。続く2番手の広岡宙が上松俊貴とシングルスで対戦。同じくG1−3となったが、「あきらめなければチャンスはあると思った」と広岡。ファイナルまで持ち込み、そこでも3−5と追う展開だったが、苦しい場面でバックハンドの左ストレートが決まり、逆転勝利へ結びつけた。

 決勝も広島県の勢いは止まらない。1番に出たのは、内本隆文/林大喜。相手の和歌山県は、プロ宣言したばかりの上岡俊介にベテラン・塩嵜弘騎のペアリングで挑んだ。懐が深い上岡に対し、林はポーチに出るのを我慢すると、後半は上岡の球をとらえ始めた。最後は、そこに内本が前に出てボレーを押し込み、ファイナルの接戦をものにした。続く広岡が、増田健人をG④−2下し、見事日本一の栄冠を手にした。

 林(大)は、2018年の福井国体決勝で、上岡/塩嵜に敗戦し、日本一を逃している。「リベンジすることができてうれしい」と安堵の表情を見せた。また、広島県の堀晃大監督も「ようやく広島らしい試合が見られた。がむしゃらに1点を追うテニスができていた」と選手らを褒め称えた。

 1月まで連盟大会が開催されないなど、苦しい現状が続くソフトテニス界。そんな中、選手たちが息を吹き返したように熱い戦いが繰り広げられた今大会。次にこのような舞台が見ることができるのはいつになるだろうか。

成年はNTT西日本の広島県が優勝

■最終日の結果
▼少年男子
決勝
宮城県 0-② 香川県
準決勝
三重県 0-② 宮城県
石川県 0-② 香川県
準々決勝
三重県 ②-0 佐賀県
宮崎県 0-② 宮城県
千葉県 0-② 石川県
埼玉県 0-② 香川県

▼成年男子
決勝
広島県 ②-0 和歌山県
準決勝
広島県  ②―0 三重県
和歌山県 ②―0 東京都
準々決勝
三重県  ②-0 奈良県
和歌山県 ②―0 石川県
香川県  0-② 東京都

取材◉川村虎大 写真◉井出秀人
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