ソフトテニスマガジン・ポータル

【メンタル強化連載】第六回・ジュニア選手もできる“賢人ゲーム”で、お悩み解決の糸口ゲット!

成長期のジュニア選手が自分を客観視するのは難しいが、ぜひ試してもらいたい(写真◎上野弘明)

日頃の練習や試合で気になる、ちょっとしたメンタルの疑問への考え方を、専修大学の佐藤雅幸先生に解説いただく本連載。第六回のテーマは、悩みや苦しみへの向き合い方。レベルアップに悩みや苦しみはつきものだが、トッププレーヤーは苦しみの渦中でもうまく自分を客観視して、悩み解決の糸口を見つけている。

客観的に見る力が養われ、自己理解が深まる

佐藤雅幸(専修大学教授)

成功者のおもて面だけを見て「苦労がなく恵まれている」と思うかもしれませんが、私は苦労せずにトップに上り詰めた選手を見たことがありません。彼らが、どんな風にトップにたどり着いたのか、そのサクセスストーリーを見れば、自然と応援したくなるはずです。悩みや苦しみと向き合う時には、いかに客観視できるかが重要です。

前回紹介したロールレタリングを用いて、「ケガをして動けず、苦しいよ」と自分自身に手紙を書き、その返事を書くのも一つの手法ですが、ジュニア選手にもできておすすめなのが“賢人ゲーム”です。私がスウェーデンに留学していた時に受講したメンタルトレーニングセミナーで体験したもので、メンタルトレーナーのガイダンスにしたがってイメージする心理エクササイズです。

まずは、目を閉じて、大きなスクリーンを思い浮かべます。一本の道をイメージし、その道を歩いていくと大きな古い家があります。家の扉を開けると、白い髭のある賢人が座っています。その賢人に自分の悩みを相談して答えをいただき、お礼を言って扉を閉めて帰ってきます。ここまでのイメージができたら、賢人の答えをノートに書いてみてください。賢人から「今は苦しいけれど、乗り越えると良いことがある」と、前向きなメッセージをいただいたとしましょう。

よく考えてみてください。賢人の答えはあなた自身の答えではないでしょうか。「あの人なら、あの先生なら、なんと答えてくれるだろう」と立場を変えて考えることで客観的に見る力が養われ、自己理解が深まるはずです。

「日頃から自分の理想を口に出していれば、周囲の人も認知してくれるので、どんどんチャンスが広がっていきます」と佐藤先生

そしてもう一つ、壁を乗り越えるために「アファーメーション(自己宣言)」はとても重要です。自分自身に前向きな言葉を語りかけ、絶対に目標を達成することを誓ってください。チャンスは待っていてもやってきてはくれません。「自分はこうなりたい、こうする」と言えば言うほど、書けば書くほど、目標に近づくはずです。自分を過小評価することなく、可能性を信じて前進してください。

写真◎BBM 取材◎井口さくら
ソフトテニスマガジン・ポータルTOPへ
モバイルバージョンを終了