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【メンタル強化連載】第八回・指導者は、できた時に大賞賛! 連携プレーで褒めるのも効果的。

終盤でのミスが多いカウント練習でも、「ミスはスルー、できたときに賞賛」が鉄則(写真◎落合史生)

日頃の練習や試合で気になる、ちょっとしたメンタルの疑問への考え方を佐藤雅幸先生に解説いただく本連載。第八回は指導者編で、同じミスを繰り返す際の適切な対処法について。脳は否定形を認識しないので、ミスをしてはいけないと言えば言うほどミスをしてしまう……⁉︎

ミスはスルー、できたら大賞賛!

佐藤雅幸(専修大学教授)

指導をしていると、同じミスを繰り返すというシーンがあるものです。ある刺激のもとで行動することにより、行動の変容や学習が生じる“オペラント条件付け”という理論がありますが、ミスをした時に、「ここでミスしちゃいけないんだよ」と言うと、脳は否定系を認識しないので「ミスしちゃいけない」ではなく、ミスだけが頭の中に残って「ミスしろ」というふうに認識してしまうのです。「またか」や、「やっぱり」、ため息などは、その認識を3倍くらい強めてしまいます。

ですから、アテンションするところを変えて、やってほしいことができたら褒めるようにします。ミスは流す。連続10本入ったら終わりの練習で、8、9本目でミスして最初から……というのもよくあるパターンだと思いますが、「あぁー」と言うと、またミスしてしまう。ここでも、ミスはスルーして、できたときに大賞賛です。

連携プレーも効果的です。箸の持ち方が変だった子どもを家族で連携して直したという例があります。これも、オペラント条件付けです。彼は、いつも変なわけではなく最初は良い持ち方をしているので、その時に兄が「いい持ち方してるじゃん」と言い、しばらくすると姉が、「箸の持ち方上手になったね! すごいね!」と、言う。そして今度は母親が褒める。これを繰り返すうちに持ち方が直ったのです。連携が大事。してほしいことをやらせて、それで大賞賛がカギです。

「指導者が友達や仲間をうまく利用するのも手。直接言わずに「あいつ最近いいね」と他の選手につぶやくと、「先生がこんなこと言ってたよ」と聞いてモチベーションが上がるものです」と佐藤先生

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