ソフトテニスマガジン・ポータル

【インカレ2023】男子ダブルスは片岡暁紀/黒坂卓矢(日本体育大)が制し、日体大勢として26年ぶりの栄冠!

優勝の片岡暁紀/黒坂卓矢(日本体育大)。入学前から言われた才能が後押し (写真◎矢野寿明)

 全日本学生ソフトテニス大会(インカレ)が9月2日(土)から6日(水)にかけて、石川県七尾市、能登町で開催されている。532ペアがエントリーした全日本学生選手権の男子ダブルスは、4日、5日の2日間行われ、片岡暁紀/黒坂卓矢(日本体育大)が西本一雅/黒須柾暉(國學院大)をG⑤-0で破って初優勝に輝いた。

 2日前に終えた大学対抗の結果を個人戦の糧にしたのが、日体大の選手たちだった。連覇を目指した学校対抗は、まさかの準々決勝敗退。気持ちを切り替えて臨んだ個人戦のダブルスでは、ベスト32からの戦いとなる2日目に5ペアが残り、片岡/黒坂、田中康文/菅谷峻大、竹田凌/増田洋五豊の3ペアが4強を占めた。「団体戦は結果が出なかったので、田中とも『個人は頑張ろう』と話していた」と菅谷は話す。

 決勝は、田中/菅谷との同士討ちを3で制した片岡/黒坂と、勢いに乗っていた竹田/増田を3で退けた西本/黒須という、5月の関東学生選手権決勝と同じ顔合わせとなった。

 雨が降り続く難しいコンディションの中、片岡/黒坂は高い集中力で相手を圧倒した。片岡が正確なストロークでラリーを組み立て、要所で黒坂のスマッシュやストップボレーが炸裂。西本/黒須も何とか流れを変えようと試みるも、「相手が強かった」と2人が口をそろえたように、なかなか逆襲の突破口を開けなかった。

 相手に1ゲームも与えなかっただけでなく、デュースにすら持ち込ませない快勝劇を演じた片岡/黒坂。西本のストロークがベースラインを大きく超えて優勝が決まった瞬間、黒坂は雄たけびを上げ、片岡とがっちりと抱き合って喜びを表した。

「あまり優勝した実感がありません。暁さんも最後はしっかり振りきってくれて、それを僕が応えるという2人で1本の形を多くできてよかったです。これがインカレの雰囲気かと、心の中でずっとワクワクしながらプレーを楽しむことができました」

 黒坂がそう言って笑顔を見せると、前回準優勝だった雪辱を晴らすことに成功した片岡も静かに喜びをかみ締めていた。
「団体戦は攻めきれなかったので、個人戦はラケットをしっかり振ろうと考えていました。ダブルスの初日も危ない試合がいくつかあって、団体の流れを少し引きずってしまいましたが、2日目は最初の試合から声を出して、ラケットも振れたのがよかったです。とにかくうれしいです」

 もちろん、これで大学対抗の結果が清算されるわけではない。だが、ここで手にした自信は、片岡/黒坂をワンランク上のレベルへと引き上げるに違いない。

2位の西本一雅/黒須柾暉(國學院大)

3位の田中康文/菅谷峻大(日本体育大)

3位の竹田凌/増田洋五豊(日本体育大)

取材・文◎小野哲史 写真◎矢野寿明
ソフトテニスマガジン・ポータルTOPへ
モバイルバージョンを終了