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2025.05.22

【全日本シングルス】本気で狙ったシングルスタイトルと日本代表入り。橋場柊一郎(法政大)が躍進も、最後の壁は崩せず

第32回全日本シングルス選手権大会◎5月17、18日/宮崎県宮崎市・宮崎市生目の杜運動公園、宮崎市清武総合運動公園

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準優勝に終わるも、進化も証明した橋場

 シングルスが好きで、個人的にも上達するために試行錯誤を続けてきた選手にとって、全日本シングルスは最も欲しいタイトルだ。橋場柊一郎(法政大)もそのような特別な思いを持っている。日本代表予選は準決勝で敗れたが、「全日本シングルスに賭けている」と話していた。

「自分が代表になるには、ここで優勝するしかなかったので、結果は悔しいです」と橋場。

 決勝戦で対戦した上松俊貴(NTT西日本)は、世界でも頂点に立ち、国内では今年で4連覇を達成している。ただ、それまでの過程を振り返れば、後ろを向く必要がないことも見えてくる。

 8本決めで対戦した矢野颯人(NTT西日本)には昨年のインカレシングルス決勝戦で敗れているが、先にリードする展開から追いつかれてもあわてることなく、1本1本を丁寧に積み重ねて、ファイナルで勝利を奪った。さらに、実績豊富な広岡宙との戦いもファイナルで勝利して、さらにシングルスに長ける長江光一(NTT西日本)との準決勝はG④-0で勝利を収めて、初の決勝戦に進んでいた。

「少しは惜しいところまでいけたので、あと何が足りなかったのか、もう一度練習して、上松さんの次のシングラーになれるように頑張ります」と橋場。

 本当の意味で、思いを実現させるためにはさまざまな困難を乗り越える必要があるのだろうが、目指す上松は自分の力で切り拓いた。1年後には、もう一歩前進できる何かをつかんで、登場してくれるはずだ。

文◎福田達 写真◎上野弘明