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【ハイジャパ】ダブルス男子は植田璃音/荻谷侑磨(高田商業)が優勝! 植田は2年連続単複2冠の偉業達成! 女子は竹平碧純/中谷ももこ(須磨学園)が制覇!

2025年度ハイジャパのダブルス王者

 6月20日、札幌市円山公園で開幕したゴーセン杯争奪ハイスクールジャパンカップ2025。大会最終日の22日は男女ダブルスの決勝トーナメントが行われて、王者が決まった。

 男子は昨年単複2冠を達成した植田璃音(高田商業)が前日にシングルスを制して、今年も2冠の可能性を残した。ただ、荻谷侑磨とのペアで臨んだ初日はG1-3とされるなど本調子ではなかった。さらに、2日目の初戦もファイナルでしのぐなど、本来の出来ではないのは明らかだった。

「負けたくないので、気持ちで引いてしまっていました。今日の初戦後、越智先生から、『このままだといい試合ができない。この大会で一番のチャレンジャーなんだから、挑戦者としての気持ちを出していこう』と言っていただいて、思いきってやるしかないと切り替えられました」と植田。

 荻谷も前日は体調面で不安があったが、最終日は試合を重ねるにつれて、昨年のような思いきりの良さが出始めて、歯車が噛み合うようになった。

 決勝戦の相手は白井颯/千田夏輝(東北)で、選抜大会で課題を感じて、取り組んできた成果が今大会で出せて、優勝争いに食い込んできた。2人ともプレーに迷いがなく、思いきりの良さは植田/荻原同様で、序盤から目まぐるしく展開が動いた。

 G1-1で迎えた3ゲーム目はお互いが譲らない場面が続いたが、荻谷がファーストサービスでノータッチのエースを決めて、雰囲気が一変する。このゲームを⑧-6とした植田ペアは、さらに2ゲームを連取して、頂点にたった。

「ハイジャパはインターハイの前哨戦と言われますが、自分はここに賭けていました。史上初の2年連続2冠をどうしても達成したかったので」

 強い想いを実現するために険しい戦いがたくさんあったが、大会中に修正できたのは、これからの戦いにとっても大きな経験だろう。

植田璃音の精度の高さはライバルたちの多くが話す

昨年夏は思い切りの良さで大活躍した荻谷侑磨

力強いボールを思いきりよく打ち続打ち続けた白井颯

触る回数が多く、思いきりの良さが際立つ千田夏輝

 女子決勝には近畿勢同士の竹平碧純/中谷ももこ(須磨学園)と房野紗千/市川こいと(四天王寺)のダブル後衛対決になった。ただ、この両者のダブル後衛は、さまざまなボールを使って相手を崩し、勝負と見るや前に出ることも多く、ストロークの打ち合いにはならず、目まぐるしい展開が続いた。

「何度も対戦していて、負けることの方が多い印象ですが、相手が少し緊張しているようで硬く、思いきってできたのが良かったです」と中谷ももこ。

 序盤は房野ペアの緊張感に加えミスが続いて、中谷ペアが2ゲームを連取する。中盤からは房野ペアも準決勝で見せたような思いきりの良いプレーが出始めて、G2-3と追いかけたが、6ゲーム目を中谷ペアが奪って優勝を手にした。

 中谷は日本代表予選会3位(ペアは天間麗奈)、全日本シングルス準優勝、前日のハイジャパシングルスも準優勝と頂点だけが遠かったが、大きなタイトルを獲得した。2年生の竹平にとっても初の大会出場で、インターハイはペアが変わるだけに、絶好のタイミングでの優勝だった。

さまざまな種類のボールをうつ中谷ももこ

粘り強く返球したサウスポーの竹平

判断が素早かった房野紗千

市川こいとは「チャンスを逃しましたが、インターハイでは優勝を狙っていきたいです」と話した

文◎福田達 写真◎井出秀人
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