小学生の夏の祭典・全日本小学生選手権は、8月2日、個人戦の決勝戦が行われ、小学生ナンバー1が決定した。
試合は台風が太平洋を通過した影響で、開始時間を1時間半遅らせて始まり、男子は、昨年3位のストローカー菅原志馬(宮城・長命ヶ丘ジュニア)が、昨秋、ペアに迎えた橋本真志(北宮PSTC)と頂点へ駆け抜けた。菅原は、2023年春の全国小学生選手権4年生以下の部以来、2度目の全国優勝、橋本は初優勝になる。
春の全国小学生で2人は16強。このとき対戦相手から集中打を浴び、我慢しきれなかった橋本は「落ち込んだ」というが、対策としてある作戦に出て、今回、勝つことができたという。
また2人は、準決勝で7月の東日本選手権決勝で敗れた設樂旭希/齋藤聖亜(栃木・芳賀クラブ)にリベンジできたことで「勢いがつきました」と話し、兵庫対決を制して決勝戦へ勝ち上がってきた宮下裕成/福島諄(兵庫・姫路ジュニア)には、G③―0のストレート勝ちだった。
試合後、2人は将来についても語り、菅原が「もっと全国大会で優勝したい」といえば、橋本は「プロテニスプレーヤーになりたい」と夢を膨らませていた。
女子個人優勝 中川心愛/阿賀優奈(兵庫・伊丹ジュニア/相生ジュニア)
女子は、春を制した中川心愛/阿賀優奈(兵庫・伊丹ジュニア/相生ジュニア)が前評判通りの強さで頂点に立った。
小柄な2人は豪打こそ持たないが、配球センスとラリーをつなげる守備力が抜群。大会初日の4回戦、台風前夜特有の強風で、大川わかば/鈴木穂花(茨城・旭ジュニアスポ少)にファイナルゲームに持ち込まれ、「負けるかもしれない」(阿賀)という思いがよぎったが、それでも冷静さを失わず、「コースを狙って攻め切ることができた」(中川)は振り返る。
また2日目は本庄明莉/大杉紗矢花(京都・八幡スポ少/クレイスポ少)との準決勝で1ゲームを落とすが、ほかはすべてストレート勝ち。渡辺優実/松本倫佳(福島・テニ研ジュニア/相馬STジュニア)を迎えた決勝でも、鉄壁の守りから攻めの好機をしっかり作り、ストレート勝ちで優勝を果たした。
将来の夢について、中川は、「広岡宙選手(NTT西日本)みたいに声を出して、しっかり自分から攻めていける選手になりたい」と語り、阿賀は「夢は2つあって、ひとつは看護師さん。もう一つはテニスプレーヤーです」とイキイキと語る。
2人の雄志をコーチとして見守っていた中川利紀さんは、「相手が向かってくるなか、しっかりと最後までラケットを振ってくれた」と目を細めていた。
【男子結果】
優勝
菅原志馬/橋本真志(宮城・長命ヶ丘ジュニア/北宮PSTC)
準優勝
宮下裕成/福島諄(兵庫・姫路ジュニア)
3位
藤井逞尚/辻内碧斗(兵庫・明石ジュニア)
設樂旭希/齋藤聖亜(栃木・芳賀クラブ)
5位
吉田悠人/雲井大遥(京都・クレイスポ少)
佐々木達馬/渡邉遙士(宮城・河北クラブ/白石協会)
田浦潤人/平野陽大(兵庫・淡路ジュニア)
藤原颯介/三原治輝(東京・FSTA)
男子個人準優勝 宮下裕成/福島諄(兵庫・姫路ジュニア)
【女子結果】
優勝
中川心愛/阿賀優奈(兵庫・伊丹ジュニア/相生ジュニア)
準優勝
渡辺優実/松本倫佳(福島・テニ研ジュニア/相馬STジュニア)
3位
本庄明莉/大杉紗矢花(京都・八幡スポ少/クレイスポ少)
永井紫月/田中望羽(神奈川・綾瀬チャレンジ)
5位
木田蒼唯/筒井希華(香川・丸亀スポ少/綾川ジュニア)
杉江優芽/鍜治本すみれ(滋賀・大津ジュニア)
工藤那南/松上ともか(和歌山・田辺STC)
高林さつき/森島紗良(埼玉・皆野ジュニア/杉戸ジュニア)
女子個人優勝 渡辺優実/松本倫佳(福島・テニ研ジュニア/相馬STジュニア)