今年のアジア選手権は国別対抗ミックスという種目が増えた。男子ダブルス、女子ダブルス、男子ダブルスの3本で争う。こちらで優勝したのがフィリピンだった。充実著しいチームで、近い将来大きな可能性を秘めているはずだ。
現在国内には500人ほどの競技者がいるが、ほとんどは硬式テニスからの転向者だと言う。デ・レオン監督はこう説明してくれた。
「硬式テニスは持って生まれたフィジカルなども必要ですが、ソフトテニスは技術を磨いていけば上達できると信じています。今回のメンバーの全員が硬式テニスをしていましたが、ソフトテニスに本格的に転向してくれました。継続して練習してきたことで、ソフトテニスに適応できるようになってきたので日本、韓国、台湾に次ぐグループに」
デ・レオン監督は1995年、岐阜で開催された世界選手権に出場、シングルスで5位に入った。来日後、名古屋のナガセケンコーで15日間、日本人コーチの練習を経験して上達しただけでなく、この競技に深い興味を持ち始めた。それから30年以上、選手、コーチとしてフィリピンのソフトテニスを支えてきた人だ。
フィリピンの子供たちにソフトテニスを教えることも欠かさなかった。バトンピノイという子供たちの大会も開催してきて、少しずつではあるが人口拡大に貢献している。
国別対抗では準々決勝で日本と対戦した。0-②で敗れたが、ダブルス、シングルスともに攻める意識が高く、可能性を秘めることを感じさせた。国別対抗ミックスで優勝した男子ダブルスのサミュエルは、「近い将来、日本、韓国に本気で勝ちたいと思っていて、その手応えはあります」と話してくれた。
後方ベンチの右から2人目がデ・レオン監督
メダルを獲得した国別対抗ミックス
文◎福田達 写真◎菅原淳