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【全日本・3日目】節目の第80回皇后杯は高橋╱岩倉が初の戴冠!

初優勝の喜びを

 第80回天皇賜杯・皇后賜杯全日本選手権大会の第3日目が11月8日、東京都の有明テニスの森公園のコロシアムで男女の準決勝と決勝が行われ、女子は高橋偲/岩倉彩佳(どんぐり北広島)が初優勝を飾った。
 
 この日の第1試合で行われた浪岡菜々美/久保晴華(ナガセケンコー)対高橋/岩倉の準決勝は、互いに1ゲーム取り合った後、先に抜け出したのは浪岡/久保だった。しかし、G1-3の第5ゲームから岩倉のネットプレーが冴え始め、高橋も正確なストロークで相手のミスを誘って流れを引き戻す。一気に4ゲームを連取して試合を決めた。

 続いて行われたもう1つの準決勝、天間美嘉/左近知美(日本体育大)対長谷川憂華/辻倉奈津(ワタキューセイモア)は、一方的な展開となった。勝負所でのポイントをことごとく奪ってゲームをものにした天間/左近が、瞬く間に4ゲームを先取する。第5ゲームも相手に1ポイントも与えないまま、最後は左近のスマッシュが炸裂。電光石火というに相応しいストレートの圧勝劇だった。

 男子準決勝2試合の後、高橋/岩倉対天間/左近の顔合わせとなった決勝。昨年は高橋の姉・乃綾とのペアで準優勝だった岩倉にとって、また、前回3位の天間/左近にとっても、1年前にあと一歩で届かなかった頂点への再チャレンジでもあった。

 序盤から主導権を握ったのは高橋╱岩倉だった。状況を見極めながら並行陣と雁行陣を使い分け、ダブルフォワードの陣形では、相手にプレッシャーをかけてミスを誘う。わずか1ポイントしか与えずに2ゲームを先行すると、デュースにもつれた第3、第4ゲームも大事なポイントはきっちりものにして、相手に追撃の隙を見せなかった。第5ゲームも岩倉の沈むカットサービスが天間、左近のレシーブミスを呼び込み、そのまま高橋╱岩倉がストレートで快勝した。

 左近は「相手の陣形が普通とは違って、自分たちがやりたいプレーがなかなかできませんでした」と悔しさをにじませた。
 
 昨年の雪辱を果たして栄冠をつかんだ岩倉は、「準決勝はすごく弱気になっていたんですけど、その反省を生かして、決勝は強気で攻めることができました」と満足げだった。高橋も「昨年の姉の悔しさをしっかり果たすことができたので、すごくうれしいです」と満面の笑みがこぼれた。どんぐり北広島にとっても、長く悲願だった皇后杯制覇。高橋/岩倉は賜杯を大事そうに受け取り、その重みをあらためて噛みしめていた。

前に出ることで持ち味が生きた

高橋乃綾は元ペア、妹を祝福

インカレで大活躍した実力を見せた天間

日本体育大主将として、大きな1年を過ごした左近

取材・文◎小野哲史 写真◎菅原淳
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