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プレー&コラム
2017.05.08

相手が強いと負ける、弱いと力を出せない人は結果を気にしすぎている

ソフトテニスに効くメンタルトレーニング講座Vol.13 講師◎大儀見浩介

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結果ではなく自分の成長を考えよう

今回は、対戦相手との駆け引きに効くメンタルトレーニングについて考えていきます。さっそくですが、みなさんの試合時におけるお悩みから見ていきましょう。

・相手が格上だとミスが多くなってしまいます。

・弱い相手に力を出し切れません。

この2つの質問に共通するのは、結果思考ということです。結果だけを考えるから、ミスしたらどうしよう、失敗したらどうしようとなり、「ミス=恥ずかしいこと、いけないこと、ダメなこと」ととらえ、マイナスのイメージがどんどん出てきて、パフォーマンスが崩れてしまいます。

強い相手が苦手というのも、いま現在の結果だけを見て相手が強いと決めつけているから。自分が弱いと無意識に受け止め、自分が格下=サービスが苦手、ポイントを離される……とマイナスのイメージが膨らんでしまいます。こうなったら戦う前から負けているようなものです。

弱い相手に油断するというのは、これくらいの力で勝てるだろうとやはり結果を考えているからです。すると、自分のできることしかしなくなり、自分の力を出し切れなくなります。

この2人が共通して考えなければいけないのは、自分の成長、進化、グレードアップ、気づき、発見です。すると、強い相手にはおのずと「チャレンジ」という気持ちになり、弱い相手にも「自分が一生懸命戦ったときに、何かしら気づきや発見があるだろう」と思えるようになります。

無理に笑わなくても口角を上げるだけでいい

ミスしたとき、顔に出さないようにしたい。

試合中は切り替えが大切です。ミスしたという「過去」を気にするのではなく、次のプレーの準備をしましょう。もし気持ちに余裕があれば、そのミスがなぜ起きたのか、さりげなく考えてみるのもいいですね。技術・体力面から生じたミスであれば、試合中に筋肉と技術はつきませんから、スパッと切り替えましょう。

心理面のミスなら、集中力を高めるルーティンを入れたり、セルフトークで感情をリセットします。顔を両手でマッサージするのもいいですね。表情のこわばりも解けて、心もスッキリします。

そもそもミスが表情に出てしまっているということは、そのミスを引きずっている証拠です。試しに、友達の目の前で手をパンッと叩いてみてください。一瞬だけ表情が変わり、またパッと戻りますよね。わずか0・2~0・3秒の間の出来事で、これを微表情と言います。一瞬の顔の筋肉の緊張とリラックス、そこに人間の本当の心理が出てくるのですが、普通の人だったらそんな変化はまず見抜けません。

ミスしたから負けちゃう、指導者の表情が怖くなった、ペアや親に何か言われるかも……ミスのイメージから連想することをいっぱい考えるから、思考が表情に貼りついてしまうのです。ヤバいと思っても、パッと切り替えれば、まずバレません!

それには、普段の練習から表情も含めて切り替えの準備をすることが大切です。手鏡を用意して「今こんな表情をしていた」とペアに見せたり、自分で確認してみる。どうしても笑えないというときは、口の端を上げるだけでもいいんです。

そして、一番いいのは、周囲がスマイルを送ることです。表情はうつりますから、ペアや指導者がスマイルを送れば、自分も笑顔になります。

【メントレクイズ】
Q.試合中、あなたはどれを一番見ていますか?

A.
①相手の表情
②相手の指導者の表情
③自分の指導者の表情

一番見ていてほしいのは、①相手の表情です次に見てほしいのは、②相手の指導者の表情。試合中、自分たちの指導者の表情をチラチラ気にしていませんか。特に中高生は、自分の指導者の表情で、気持ちが上がったり、下がったり、次のプレーへの切り替えが遅くなったりしているケースが多々ありますが、ゲームにはまったくいらない情報です。相手の表情、しぐさをさりげなく観察しながら、自分の準備や気持ちの切り替えに役立てていきましょう。

著者Profile 大儀見浩介●おおぎみ・こうすけ
東海大一中(現・東海大学付属翔洋高等学校中等部)サッカー部時代に全国優勝を経験。東海大一高ではサッカー部主将、東海大学進学後、高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング)を学び、現在はスポーツだけでなく、教育、受験対策、ビジネス、社員研修など、さまざまな分野でメンタルトレーニングを指導している。2012年、メンタルトレーニングを広く伝えるために「株式会社メンタリスタ」を立ち上げる。著書に『クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング』(フロムワン)、『勝つ人のメンタル~トップアスリートに学ぶ心を鍛える法』(日経プレミアシリーズ)。年間約250本の講演活動を行っている。


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