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プレー&コラム
2017.07.24

集中をつくる3ステップ『現状を受け止め、分析し、今できることをする』

ソフトテニスに効くメンタルトレーニング講座Vol.23  講師◎大儀見浩介

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試合ごとに集中に入るには、動作・手順のリスト化

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1日に数試合をこなすことも多いソフトテニスの大会では、試合ごとに集中状態をつくっていく必要があります。試合にスムーズに入るためにも、動作・手順のリストをあらかじめつくっておきましょう。試合までの流れをシミュレーションしておくことで、自然に集中していけるようにするのです。

このように的を絞りこんでいく作業を、メンタルトレーニングの世界ではフォーカスと言います。

例)会場についたら荷物を整理し、コートの下見をして、ラケットやシューズを調整し、監督と話をして、ウォーミングアップをこなし、最後に「よし、楽しもう」という一言で試合に入っていく!

このとき、大事なのは、自分で動作・手順を考え、自分で準備をしていくことです。基本的に集中は、興味のあるもの、自分が好きなものには向きやすいですが、嫌いなことや興味のないものは、自然と注意が向かないようになっています。

マンガを読んだり、ゲームをするときは集中できるのに、勉強のときはすぐに気が散ってしまいますよね。また、本屋さんで自分の好きな本を見つけられるのも、興味がある物や自分が欲しい物に注意力が高まっているからです。

考えてみたら、すごい集中力ですよね。何千何万という本の中から、自分の欲しい1冊を見つけてくるわけですから。集中するためには、自分で興味を持つこと、好きになることが大切です。

 周りが気になる人はルーティンにトライ!

プロテニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチは、インタビューなどでインナーピースという言葉を使います。「内なる(精神の)平穏」とも訳せますが、『自分自身の今できることを受け止め、分析し、今できることにフォーカスする』ことが、集中をつくっていくために重要だと言っているのです。

今できることは何かを絞り込み、余分なイメージをつくったり、考えなくていいことを考える時間を減らしていくのです。そうやって、ひとつのことに意識を向けていきます。

なお、メンタルトレーニングの世界では、集中力を、フォーカス、コンセントレーション、アテンションという3つの言葉で表します。コンセントレーションは内的集中、アテンションは注意の集中(対象物に対して注意を向けていくこと)です。

では、集中に関して、みなさんの質問を見ていきましょう。

Q.大事な場面でサービスが入らない!
中3男子

試合で集中力を阻害される要因として、
①結果・評価を気にしすぎる
②ここでミスしたらどうしようというミスのイメージをつくり出すことに集中している
③疲労
3つが考えられます。

このケースではおそらく②が要因だと思いますが、集中が切れそうなタイミングや切れそうな出来事を事前に想定して準備しておく必要があるでしょう。

アメリカでよく行われる練習を紹介します。サービスを打つときなど集中力が必要な場面でわざと雑音を立てて、騒がしい中で集中できるような心理状態をつくっておくのです。どんな状況下でも、自分自身の動作・手順に集中する力を身につける――これをパフォーマンスルーティンと言います。イチロー選手が打席に入る前のバット回しであったり、トップアスリートが試合で行っている動きです。

「うるさい」という現実を認識し、受け止め、そこで自分ができることを考えるの。「なんでうるさいの?」などと言っても、どうにもなりませんからね。「何も考えず、自分のルーティンをしよう!」となるのが理想です。

ソフトテニスはサービスが非常に重要です。いいサービスが打てれば、いいラリーにつながります。サービスは集中力が問われ、一番プレッシャーがかかるシーンだと思うのですが、そこでどんなセルフコントロールができるか考えてみましょう。

呼吸、いつも通りの動作・手順をイメージし、あとは気持ち良くスパーンと腕を振り抜く。集中する動作・手順に入るまでは、リラックスをしっかり感じ取ってから行います。普段の練習から意識していきましょう。

著者Profile 大儀見浩介●おおぎみ・こうすけ
東海大一中(現・東海大学付属翔洋高等学校中等部)サッカー部時代に全国優勝を経験。東海大一高ではサッカー部主将、東海大学進学後、高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング)を学び、現在はスポーツだけでなく、教育、受験対策、ビジネス、社員研修など、さまざまな分野でメンタルトレーニングを指導している。2012年、メンタルトレーニングを広く伝えるために「株式会社メンタリスタ」を立ち上げる。著書に『クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング』(フロムワン)、『勝つ人のメンタル~トップアスリートに学ぶ心を鍛える法』(日経プレミアシリーズ)。年間約250本の講演活動を行っている。