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2017.08.02

【インハイ秘話】全中Vの下江/浦口(和歌山信愛)が3年後の夏に流した涙と国体への決意

インターハイ2017◎7/22-29福島県会津若松市・会津総合運動公園テニスコート

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和歌山信愛の下江遥花/浦口華音。全中Vペアが3年後のインハイ団体で再びペアを組んだ

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1年時は高校3冠チームをスタンドで応援

最終日、7月29日の女子団体戦。8強入りを懸けた北越(新潟)と和歌山信愛(和歌山)の3回戦は、3番勝負にもつれ込んだ。

北越の3番は鈴木愛香/保科葵。対する和歌山信愛は、下江遥花/浦口華音が送り込まれた。かつて全国中学校大会(全中)の個人戦で優勝した2人。3年後の夏、インターハイの舞台で初めてペアを組むことになった。

2014年の全中個人を制し、涙のちガッツポーズの下江(左)と浦口

2014年、太子東中(兵庫)3年だった下江/浦口は、香川県で開催された全中個人を制した。下江は兵庫県代表の一員として出場した、春の都道府県全中に続くタイトル獲得。浦口は前衛転向から約1年半での日本一だった。卒業後はそろって和歌山信愛へ。話し合ったわけではなく、それぞれが決めた進路が、たまたま同じだったという。

ソフトテニス・マガジンの取材で太子東中の下江(後列中央)と浦口(後列右)

高校でも日本一に――。そんな思いで臨んだ高校1年のインターハイは、スタンドで先輩たちを応援していた。同年の和歌山信愛は、選抜インターハイ、国体の高校3冠を達成したスーパーチームで、いかに中学日本一といえども、1年からメンバーに入るのは至難の業。下江は、1学年上で自分と同じ左打ちの後衛・貝瀬ほのか、浦口は、同年インターハイの個人戦も制した2学年上の前衛・鈴木梨沙にあこがれた。

2016年、2年となった2人は団体戦のメンバーになり、それぞれ別の選手とのペアで日本一を目指す。春の選抜、文大杉並(東京)との決勝。下江は3年の古田麻友と組んで1番で出場したものの、G2-④で敗れ、チームも0-②で敗れた。夏のインターハイ、再び文大杉並との決勝。3面展開の中、下江は同じ2年の戸根鈴華と組んで3番で出場し、G④-2で最初の勝利を挙げる。だが残り2ペアが敗れ、またも準優勝に終わった。

3年になり、集大成の今年。春の選抜では、浦口が1学年下の松井玲奈とのペアでチームを引っ張った。だが下江は、左ヒザの半月板と靭帯を痛めて欠場を余儀なくされ、和歌山信愛は準々決勝で敗れてしまう。

インハイ後は埼玉へ遠征、まだチャンスはある

迎えた最後のインターハイ。団体戦初戦の2回戦、下江は戸根と組んで1番、浦口は松井と組んで3番で登場して勝利し、チームも勝ち上がった。このペアで前日までの個人戦にも出場していたが、林三千夫監督は3回戦でペアを変更。冒頭の通り、下江/浦口が3番勝負に臨むこととなった。

全中優勝から3年、高校の全国大会で初めてペアを組んだ2人。北越のハイスクールジャパンカップダブルス準優勝・鈴木/保科に対し、気迫のプレーで対抗した。だが、第1Gを取られた後、第2Gを取り返してG1-1としたが、先行される流れは変わらない。第3、第4Gを取られると相手の勢いを止められず、一気に押し切られてG1-④で敗れた。

中学日本一となり、2人で歓喜の涙を流してから3年。高校最後の夏に2人で流したのは、無念の悔し涙だった。1年のときにスタンドから見た優勝メンバーを「すごくあこがれて、あんなプレーをしたいと思った」という下江は「だから、悔しい」。浦口は「2人で頑張ろうと話し合っていましたけど……」と消え入りそうな声で語った。

和歌山信愛で、2人は何を学んだのか。浦口は「選手だけの力ではなく、応援の力も合わせて勝つ。大事なのは総合力だということ」と語り、下江は「テニスに勝つ・負けるよりも、応援される選手になることが大切だと学んだ」と言った。結果は期待に応えられなかったとはいえ、チームメートや家族から送られたスタンドからの大声援は、2人が3年間でどんな選手になったかを示していたと言えるだろう。

高校最後の夏が終わった。しかし、チャンスは残されている。10月の国体だ。

「もう一度、日本一を目指します」(下江)
「まだチャンスがある」(浦口)

和歌山信愛は会津若松から直接、埼玉に遠征に出かけた。残された時間で、タイトルへの力をつけるために。2人でもう一度、歓喜の涙を流すために。

国体でのリベンジを誓った下江(左)/浦口(右)

 

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取材・文◎石倉利英 写真◎井出秀人、川口洋邦、石倉利英、矢野寿明(全中)