
【強さをつくる食事学㊽】アスリートのためのおにぎりの利用法
強さをつくる食事学◎ソフトテニス・マガジン2025年6月号掲載。第48回

おにぎりはアスリートにとっての補食として定番ですね。食べるタイミングや用途、どのように作ったら良いか、どんな具が良いかお話ししていきましょう。
《食べるタイミングと用途》
〇増量時……一度にたくさん食べるより、効率よくエネルギー補給できる。たんぱく系の具が入ると、たんぱく摂取もできる。
〇減量時……食間が長すぎる(7時間以上)場合。空腹時間が長すぎると、食事で食べ過ぎたり、血糖値が上がり過ぎたりするため、間食を挟んだ方が良い。たんぱく源をプラスすると、より空腹感も抑えられる。
〇早朝練習前後……朝が早すぎて朝食をしっかり食べられない時、おにぎりを利用する。例えば、起床から出かけるまで食欲が出にくい場合→出かける前におにぎりを食べて、朝練後に軽めの朝食。または、食欲はあるが朝食の時間が短い場合→ご飯少な目+具沢山味噌汁からの、朝練後におにぎりとたんぱく源を摂る。
〇練習前……練習中にエネルギー不足にならないようにする。具材は梅干しなどシンプルなもので。
〇練習後……練習後から食事までの時間が長い場合(通学などで遠距離)。たんぱく源が具に入っていると良い。夕食が遅くなりすぎる場合は補食を挟んで、夕食を軽めにすると良い。夕食にボリュームが出過ぎると、眠りに影響する。
《作り方・保存方法》
①作る前に手を良く洗い、ラップを利用して握る。
②握ったらラップを開き、しっかり冷ます。包んだ時に中に水分がたまらない温度が目安。
③アルミホイル(または抗菌シートなど)でおにぎりを包む。この時、素手でおにぎりを触らないようにする。ラップよりアルミホイルの方が、ご飯との間に隙間ができて通気性が良く、おいしく食べられます。
◎傷みにくくするために
・持参する前日に作るのではなく、当日の朝に作る。
・ご飯に梅干しやお酢、生姜、カレー粉などを混ぜると抗菌効果がある。
・ご飯を炊く際に、梅干しやお酢を少し入れても傷みにくくなる。
《保存温度と保存方法》
手作りおにぎり→約半日(12時間以内) ただし夏場や湿度の高い日は、保冷剤を入れて3~4時間が目安
保冷バッグに保冷剤を入れること。保冷材はタオルなどで巻いておにぎりとくっつかないようにしておくと、おにぎりが冷えすぎず美味しく食べられます。
冷凍したペットボトルを一緒に入れても良い。
日陰の涼しい場所に置く。
コンビニおにぎり→約2日 こちらも保冷剤を入れることが前提。夕方の練習後や試合で何時に食べられるかわからない場合は、やはり便利なコンビニおにぎり。こんな時こそ、利用しましょう。
《具材について》
・日持ちしやすい具材:梅干し、青じそ、焼きたらこ、塩昆布・昆布の佃煮、胡麻塩、鰹節など。水分が少ないこと、酸味があること、塩分が多いこと。これらは防腐効果が期待できるので、比較的日持ちをさせやすくします。
・その他の具材(たんぱく系):塩鮭、ツナ(油や水分はしっかり切る)、チーズとおかか、スパム、しらすなど。鮭やスパムはフライパンで加熱する。シラスやツナは鍋で醤油とみりんで味付けしてしっかり火を入れるなどすると良い。
★簡単夏場のお勧めレシピ★
・カレー風味のおにぎり⇒オリーブ油で具材を炒め、カレー粉、黒コショウ、塩で味付けする。具材は魚肉ウインナーなど。
・梅おかか、炒めたじゃこと梅シソ、枝豆とゆかり。
・塩鮭と青じその千切り、いりごま、お酢を混ぜる。
・酢生姜の千切りと青じそ。