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2025.07.22

私の記憶⦿インターハイ編 第6回・船水雄太/2011年インターハイ男子団体

北東北インターハイ男子団体戦◎2011年7月28~31日/青森県・新青森県総合運動公園テニスコート

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団体優勝を成し遂げて

 青森県での地元インターハイという思いもありましたが、東日本大震災があったので1日1日を精一杯生きてきたことの方を思い出します。休みがある時は石巻などでのボランティア活動も大切にしていました。監督からも「まずは生活が大事だ」と言われていて、練習は整ってきてからという意識でした。

 ボランティアをしていく中で、現地の方々から自分たちのような若い力が元気の源になっていると言っていただきました。インターハイに向けて、そういう方々に元気を与えたいという気持ちが大きかったですね。そして、青森県の方々に成長した姿を見せたいということも個人的には思っていました。

 日本代表として世界で戦うことが当時から大きな目的で、インターハイのタイトルをどうしても取りたいとは思わなかった。ここで勝つための3年間にしたくなくて、すべてを作り込みすぎないと思っていました。と同時に、ここで負ければ代表もないなという考えはありました。

 結果的には個人も団体も優勝できましたが、1戦1戦、目の前の敵を倒していくのにフォーカスしていったのと、相手も勝ちたい気持ちをぶつけてきたので、それが逆にやりやすかった。だから、本番でダブルフォワードを入れてみたり、戦術を変えながら戦いました。九島とは大人の大会に勝つことが目標だったので、そこで戦うためのオプションも加えてきたことが生きました。

 ある時、こうやったらチャンピオンになれるというのを二人で書いて、中津川先生に提出したら、「じゃあやってみなさい」と言っていただいて、練習メニューも自分たちで考えてやってきたことも良かったです。インターハイに向けてやるべきことはすべてやったと思っていたので、あとは結果がついてくるだけだと。

 皆さんも普段から勝つために取り組んでいるので、本番当日はやってきたことを信じて、やりきってほしいと思います。試合には運などコントロールできない要素もあるので、本番はこれまでの取り組みを誇って、堂々とやりきってほしい。緊張したり、こわがったりしてという場面を何度も見てきたので、自信を持ってやりきってほしいですね。

個人優勝との2冠。翌年はナショナルチーム入りした

多くの人たちにも支えられた優勝だった

文◎福田達 写真◎井出秀人、川口洋邦