
【マダムペコの部屋】第13回◎意外な所にもある自分づくりのヒント

小学生の頃、日曜日の朝は、自分の好きなように調理をしなさいと卵を1つ渡されていました。
ゆで卵はおかずにならないし、炒り卵は手間の割にはでき上がりの量が少ない、卵焼きにするには2個ほしい。たどりついたのは目玉焼きでした。
黄身が潰れたり、焦がしたり、火加減で黄身のとろみが違います。片面だけ焼いたり両面を焼いてみたり。油を引く量、火加減やフライパンを熱すると良いのだと分かった代償は、数回の小さな火傷。
ヒリヒリする感じ、痛み、水ぶくれを経験してだんだん上達していきました。お皿に乗せるタイミングにソーセージやお魚を母がよくできたねと言って、添えてくれました。
別の日は、妹と私にりんごを1つずつ渡されます。自分たちでむいて食べなさいと。どちらが長く皮を剥けるか競争して、梨やリンゴと向き合っていました。包丁の使い方はそこから学んだのだなぁと思え、集中したりチャレンジしたり工夫することが私を成長させたんだなと、大人になって母の愛を知るのでした。
みなさんも夏休みの期間にキッチンに立ち、家族に愛をプレゼントしてみるのはいかがでしょうか? 食器を選んだり、お料理を食卓に運ぶだけでも役に立つと思います。
何事も一歩ずつ、知らない間に習得できることってたくさんありますね。それに磨きをかければ、自分の強みになり個性にもなる。自分づくりは意外な所にもあるので、限定せずに視野を広く、柔軟にね。
マダムペコ
PROFILE/京都生まれ。保険会社のお客様窓口勤務。趣味は映画、読書、音楽、スポーツ観戦。テニスは挫折経験あり。日常では、所作やマナーや社会のルールを愛を持って感化している日々。食生活から意識してインナービューティーを目指すことで、心も身体も健康で幸福感を膨らませることができると実感している。