【強さをつくる食事学56】冬の集中力がきれる理由は“血糖”にあった!? ―朝食の糖質の選び方でパフォーマンスが変わる―
食事学
冬になると「なんだか集中できない」「ミスが増える気がする」と感じる選手が多くなります。寒さのせい…と思われがちですが、実はその裏で大きく関わっているのが “血糖の乱高下”。特に朝食の内容は、午前中の集中力や判断スピードに直結します。ソフトテニスのように瞬時の判断で勝負を分ける競技では、なおさら大切なポイントです。では、なぜ冬は血糖が乱れやすいと思いますか?
まず、冬は気温が低いため、体を温めようとして交感神経が強く働きます。交感神経は活動モードのスイッチであり、寒い朝はこれが過剰になりやすく、体にとってはストレス刺激となります。さらに、日の出が遅く暗い朝が続くので、体内時計が乱れやすく、血糖を安定させるホルモン(コルチゾールなど)が本来の働きをしづらくなります。こういう状況で 、甘いものだけの朝食を摂るとどうなるのでしょうか?
糖類(砂糖・果糖など)は吸収スピードが非常に速く、血糖値を一気に上げます。上がった血糖値はその後急降下しやすく、結果として「ぼーっとする」「力が入らない」「イライラする」という状態になります。これは集中力が必要な練習・授業前には致命的です。つまり、菓子パン・チョコ・ジュース・甘いシリアルだけでは朝食とは言えないのです。
一方、ご飯やパン、麺類のような “でんぷん質の糖質” は吸収がゆるやかで、脳と体へ安定的にエネルギーを送ります。冬の朝の最低ラインは 「ご飯+具沢山のみそ汁」。ご飯で脳の燃料となるブドウ糖を補い、みそ汁の具からタンパク質、ビタミン、ミネラルが摂れ、さらに温かい汁物が体温を上げて交感神経の過剰反応も整えてくれます。もし、ご飯に雑穀などを混ぜられると、よりバランスもとりやすくなります。雑穀はビタミン、ミネラルが豊富で、食物繊維も多いため、栄養価が上がり、更に血糖の安定を図ることができます。ちなみに、朝の最初の一口はとても大切。糖質を口に入れることで体温が上がり、脳と身体が一気に動き始めます。寒い冬はとくにこのスイッチが入りにくいため、温かい汁物やおにぎりを少しでも食べるだけで、その後の集中力や動きに大きく差が出ます。時間がないから菓子パンで・・・その選択が、冬のパフォーマンス低下を招いているかもしれません。
一方で、試合1時間前の補食はどう選んでいますか?
ここでは「GI値」を正しく使うのがポイントです。GI値(グリセミック・インデックス)は、食べた時にどれくらい血糖が上がりやすいかを示す指標です。日常の食事ではGI値が低い方が血糖は安定しますが、試合1時間前だけは別です。ここでは「吸収が速い=すぐ使えるエネルギー」というメリットが生まれます。
例えば
・おにぎり(白米)・カステラ・バナナ・エネルギーゼリー・スポーツようかん・みたらし団子など
これらは試合前のすぐ利用できるエネルギーとして最適です。
逆に、見落とされがちなNG例は
・菓子パン、チョコ、クッキー、マフィンなど
いずれも糖類だけでなく脂質が多いため吸収が遅れ、実は即効性がありません。しかも血糖値の乱高下が起きやすいため、後半の集中力に悪影響を及ぼします。
冬は交感神経の働きが過剰になりやすく、血糖値が不安定になりやすい季節です。そこで大事なのは以下の3つ。
1.甘いものだけの朝食はNG(血糖値が乱れて集中力ダウン)
2.最低ラインは「ご飯+具沢山みそ汁」(体温も上がり安定感が出る)
3.試合前1時間はGI値が高めの食品を味方につける
この冬は「何を食べるか」ではなく、「どう血糖値を安定させるか」に目を向けると、パフォーマンスの質が一段階上がります。朝食の選び方ひとつで、冬のプレーはもっと安定し、集中力もぐっと持続するはずです。



























