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プレー&コラム
2017.06.06

【貝瀬×吉田】勝敗を左右するのは細部。高校では細かいところまで意識するのが大事と教わった#02(全4回)

WEB連載シリーズ『高校王者たちに聞く、勝つために必要なこと』◎ヨネックス新人対談

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ジュニアジャパンカップのシングルス決勝でも対戦した貝瀬ほのか(左)、吉田栞里(右)。貝瀬いわく、「ストローク力では吉田が上だった」 写真◎上野弘明

高校シーンでトップに上り詰めた選手たちに『勝つために必要なこと』を聞くWEB連載シリーズ第2弾は、ヨネックスの同期スーパールーキー、貝瀬ほのか(和歌山信愛高卒)と吉田栞里(昇陽高)が登場。

小学校から全国の舞台で戦ってきた貝瀬と吉田。「吉田は邪魔(笑)」「貝瀬は面倒(笑)」と、お互いの存在を強く意識していたという2人が今春、ヨネックスでチームメートに。彼女たちが小中高と勝ち続けることができた理由を、2人の歴史から紐解いていく。

【貝瀬×吉田】対談の第2回は、ダブルスやシングルスで戦った中学時代、同じ近畿地区に進んだ高校時代の話。

貝瀬ほのか(ヨネックス1年目)
かいせ・ほのか 1998年4月11日生まれ。新潟県出身。身長159.6cm、左利き、後衛。見附市スポ少(小1)→見附西中→和歌山信愛高→ヨネックス。2017年ナショナルチーム
高校時代の主な戦績◎インハイ個人3位&団体5位(2014)、全日本高校選抜優勝(2015)、インハイ団体優勝(2015)、国体優勝(2015)、全日本高校選抜2位(2016)、ハイジャパ単優勝(2016)、インハイ個人3位&団体2位(2016)
吉田栞里(ヨネックス1年目)
よしだ・しおり 1998年5月31日生まれ。大阪府出身。身長166cm、右利き、前衛。岸和田ジュニア(小1)→昇陽中→昇陽高→ヨネックス。2017年全日本U-20チーム
高校時代の主な戦績◎インハイ団体3位(2014)、ジュニアジャパンカップU-17単優勝(2014)、ジュニアジャパンカップU-17複優勝(2015)、インハイ団体3位(2015)

 

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高校時代を近畿地方で過ごした貝瀬(左)と吉田(右)。同世代のライバルであり、チームメートであり、頼れる同期でもある。「楽しく話している感じで」とのカメラマンのリクエストにノリ良く応じてくれた

勝てるんちゃう→貝瀬が頑張り出した!

――中学2年以降の対戦は?

貝瀬 Step4(ジュニアジャパンカップ)のシングルス、決勝で吉田と当たりました。

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2012年11月、ジュニアジャパンカップのU-14シングルス決勝。貝瀬(右)vs吉田(右)はG④-3で貝瀬が優勝 写真◎上野弘明

――シングルスでもライバル関係なんですね。

貝瀬 もともと吉田はストローク力があるし、私よりもストロークは上だと思っていたので、「この試合はダメだ」と、最初はあきらめていました。

でも負けだしたら、やっぱり負けたくないと思って(笑)、もう一度頑張ろうと。序盤からバックばかり狙われていたから、先に攻めていこうと切り替えた。でも、私はミス多くて……そんなふうに夢中に試合していたら勝てた。

吉田 あの試合は、私目線だと、「これ、勝てるんちゃう」→「あっ、貝瀬が頑張り出した」→「でも、貝瀬がミスしてくれる」→「いや、自分がミスしてしまった」という感じだった(笑)。

小4で前衛になる前は後衛だったけれど、シングルスは自信なくて。でも、笠井(菜々子/現広島修大附鈴峯女子高)に勝てちゃって。そうしたら、次に貝瀬と当たって。向かっていけたんだよ。

貝瀬 どっちにしてもダブルス、シングルスでも吉田には当たりたくない。面倒くさい相手だから(笑)!

吉田 私からしたら、勝ち上がっていったら当たる相手だなと思っていた。貝瀬はダブル後衛だったから、長短、いろいろなコースに打って惑わされる。だからこそ、「次はこうしてみよう」「ここ止めてみよう」と考えさせてくれる相手だなと。

――貝瀬選手は中3でナショナルチーム入り。

貝瀬 家に帰ったとき、母から聞いて「ウソでしょ」って。でも、母の顔が本気だったので、「どうしよう!」っていうのが最初の気持ちでした。

連盟の方から「育成という意味もあっての推薦だから」と伝えられ、母からは、これからテニスも日常生活もしっかり頑張っていくように言われた記憶があります。

実際、ナショの合宿に行ってみて、大庭さんと組ませていただいたり、トレーニングも年上の人たちと一緒に行って、本当にすべてが初めてのことばかりで。

いま振り返ると、シンドイというよりは淡々と取り組んだ感じでした。必死に無我夢中で。とにかくついていこうという気持ちでいっぱいでした。

吉田 貝瀬のナショ入りを聞いたとき、「中学生でも入れるんだ」と思いました。「自分も入りたいです!」と言ったかな。当時は、同じ中学生が選ばれることにうらやましさと、大変だろうなという気持ちと、両方抱きましたね。

あああああああ

女子ナショナルでは初の中学生選出となった貝瀬。ソフトテニス・マガジンに掲載された貴重な制服姿のショット 写真◎長谷部薫

家族がいない! 高校でホームシックに

――高校は、同じ近畿地区に。貝瀬選手が新潟から和歌山信愛高へ。吉田選手は付属の昇陽高へ。

貝瀬 地元を離れたいとは思っていたんですが、いざ行ってみると、家族もいないし、帰りたいと。寮に帰っては泣いて、学校では泣いて。ホームシックになってしまったんです。私だけじゃなく、もう1人、同学年でホームシックがいました(笑)。

吉田 「(貝瀬は)どこ行くんやろ?」と仲間たちとは話していましたね。で、結局、「あっ、近畿来るんや」って。

――貝瀬選手はホームシックになりながらも、高1のインハイで個人3位に。

貝瀬 ダブル後衛だったのですが、ペアの先輩が高校最後のインハイでしたし、2日目に残れたことで勢いに乗りました。高校は応援がすごくて、みんなが応援してくれるというのが初体験というか。

高校に入って、中学では言われなかったような細かいところまでアドバイスを受けました。そういう小さなことでも、ポイントを取ったり、失ったりする。細部を意識するのはとても大事だと思いました。

――高校での対戦は?

吉田 2年の長浜での近畿大会で当たったよ。

貝瀬 2年のときと3年のときの近畿大会くらいかな。

――同じ近畿になってからはもっと対戦が多いのかと思っていましたが。意外です!

貝瀬&吉田 ホント、そうですよね!

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高1のインターハイで、和歌山信愛高の貝瀬は個人3位(澤本瑠衣/) 写真◎井出秀人

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同じく高1のインターハイで、昇陽高の吉田は団体3位 写真◎川口洋邦

貝瀬ほのか×吉田栞里対談INDEX

#01 貝瀬の第一印象は打ち方がすごい。対戦できるのがうれしかった
#02 勝敗を左右するのは細部。高校では細かいところまで意識するのが大事と教わった
#03  6月13日公開予定
#04  6月20日公開予定

取材・構成◎八木陽子 インタビュー写真◎山口高明