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2025.05.18

【全日本シングルス】男子は上松俊貴が史上初の4連覇! 女子は宮前希帆が初優勝。ともにアジア選手権の日本代表入りを決める

第32回全日本シングルス選手権大会◎5月17、18日/宮崎県宮崎市・宮崎市生目の杜運動公園、宮崎市清武総合運動公園

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日本代表入りも決めた上松俊貴、宮前希帆

 5月17、18日、宮崎県宮崎市で第32回全日本シングルスが開催された。週末は大雨の予報だったが、17日に中断時間はあったものの、18日はほとんど降雨もなく、男女の王者が決まった。

 男子決勝は上松俊貴(NTT西日本)に橋場柊一郎(法政大)が挑戦した。橋場は「日本代表に入るにはシングルスで勝つしかない」という強い気持ちで臨んでいた。それまでも苦しい試合もあったが、最後まで戦い抜くと言う気持ちをコートで体現。決勝戦も序盤はペースを握ったかに見えた。

 しかし、王者は万全の準備をしてきた。相手にリードされることは前回大会よりも多かったが、自分のやるべきことに集中しているように崩れない。
「競る場面はあると思っていましたし、こういう場面はこうしよう、ああしようと準備してきたので、自分がやるべきことだけに集中できました」と上松。

昨年の3連覇で元ペアの船水颯人と並んでいたが、史上初の4連覇を成し遂げた。4大会を振り返ると、「すべてテニスが違う」と話すように、進化し続ける姿勢こそが王者たる所以なのだろう。

波がほとんどなく、安定した戦いぶりの上松

優勝まであと1勝まで来た橋場

 女子は昨年日本代表入りして、大きく成長を遂げた宮前希帆(ワタキューセイモア)と高校3年生の中谷ももこ(須磨学園高)が決勝の舞台に進んだ。

 1G目は中谷が3-0とリードしたが、そこから宮前が粘った。最後はデュースから宮前が奪った。「ここがヤマだと思っていました」と宮前が振り返る。中谷も引き出しが多く、短いボールの使い方も素晴らしく、ストロークで奪うこともできる。

 ただ、宮前は試合運びが長けていた。「どうやって勝っていくかを考えた時、前衛なので、後衛とバチバチでストローク勝負できません。ゆるいボールの使い方など、前に出されても、そこでの予測はこちらの方ができると思います」と宮前。

 G④―0で勝利を決めると、涙が込み上げてきた。「代表に入らないと始まらないという思いと、ナショナルなのでアンダーの人に負けられないということもあり、勝ってホッとしたら…」(宮前)

 決勝戦で戦った2人はシングルスの戦い方に成長の跡を見せた。特に、劣勢の時のテニスが素晴らしく、内面と技術の両面で成長しているのだと感じた。

前衛としての能力を最大限使った戦いを見せた宮前

ストロークで決める力のある中谷。さらに前後左右を駆使できる

★結果
男子優勝 上松俊貴(NTT西日本)
男子準優勝 橋場柊一郎(法政大)
男子3位 長江光一(NTT西日本)
男子3位 植田璃音(高田商業高)

女子優勝 宮前希帆(ワタキューセイモア)
女子準優勝 中谷ももこ(須磨学園高)
女子3位 岩倉彩佳(どんぐり北広島)
女子3位 佐藤愛(和歌山信愛高)

文◎福田達 写真◎上野弘明