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2025.07.25

私の記憶⦿インターハイ編 第7回・浅川陽介/1995年出雲インターハイ男子団体

出雲インターハイ◎1995年8月1~8日/島根県出雲市・県立浜山公園テニスコート

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力を結集させたインターハイだった

 私のインターハイの思い出は、高校2年生の出雲インターハイ団体戦です。その大会には、「チーム一丸となって取り組む」というスローガンが掲げられていました。遡ること5カ月前の全国選抜大会では、三浦監督率いる岐阜県の中京商業(現中京高)と対戦し、悔しい敗戦を喫しました。中京商業の白いウェアを身にまとい、躍動する選手たちはまさにパフォーマーとして観客を魅了していました。自分自身の闘争心だけでなく、試合を楽しむ表現力を持ち合わせた中京商業に勝つために何が必要か? これを問い続けた集大成が、出雲インターハイでした。

 悔しさを奮い立たせるために、熊本工大高(現文徳高)の末松正純監督は、「相手が白のウェアなら、こちらは黒で行く」と決意し、その当時はアシックスのアジア大会モデルの黒いウェアに揃えて臨みました。正直、真夏の黒いウェアは暑いと思うのが普通ですが、その色こそが覚悟そのものの表現だと強く信じていたため、暑さを感じることはありませんでした。

 その想いが通じたのか、2回戦で中京商業と対戦し、継続した取り組みが実を結び、全国選抜のリベンジを果たすことができました。最終結果は3位でした。九州からベスト4に入ることが難しい中で食い込むことができたのは、インターハイでリベンジを誓った想いを持ち続け、努力を重ねてきた結果だと思います。

 インターハイの最大の魅力は、ライバルと最高の舞台で戦えることだけでなく、ライバルがいることで成長できることです。高校生の最高峰であるインターハイに出場する選手の皆さん。自分の想いを全力でプレーにぶつけ、思いきり駆け抜けてください。

2年生ながら大将として戦った

文◎浅川陽介 写真◎BBM