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2025.09.01

【全日本社会人】噛み合ったお互いの長所。原口美咲/宮前希帆(ワタキューセイモア)が社会人女王に

第53回全日本社会人選手権大会(女子)◎8月30、31日/北海道・札幌市円山庭球場

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試合後の挨拶でも雰囲気の良さがうかがえる

 第53回全日本社会人選手権大会が8月30日と31日の2日間にわたり、北海道で開催された。札幌市円山庭球場で行われた一般女子の部には全国の強豪96ペアが出場。トーナメントで頂点を目指した。

 一般女子決勝では、原口美咲/宮前希帆(ワタキューセイモア)と、小川木乃花/清水麻美(ダンロップ)が激突。昨年まで3連覇を果たし、圧倒的な強さを見せていた高橋乃綾(どんぐり北広島)の引退を受けて空位となった社会人女王の座をめぐり、ファイナルゲームまでもつれ込む大接戦を繰り広げた。

 先手を取ったのは小川/清水。小川のキレのあるストロークと清水の気迫あふれるネットプレーが冴え、G2-1とリードを奪った。

 ターニングポイントになったのは、続く第4ゲーム。デュースから先にアドバンテージを取った小川/清水だったが、白熱のラリー戦の末、3連続ポイントを挙げた原口/宮前が逆転し、G2-2と追いついた。

 一進一退のまま迎えたファイナルゲームも、互いにエースを決め合うスリリングな展開となったが、最後は原口/宮前がゲームカウント⑦-5で紙一重の勝負を制した。

 安定したストロークで試合を作った原口は、「これまで個人戦ではなかなか結果を出せていなかったので、優勝できて本当にうれしいです。ただプレー的には課題も残ったので、しっかり打ちきる自分らしいテニスを最後まで貫けるように練習していきたいと思います」と、喜びとともに課題を挙げた。

 一方、要所のネットプレーが光った宮前は、「どんな場面でも後悔のないプレーをしようと心がけて試合に臨みました。決勝はかなりの接戦でしたが、しっかり勝ちきれたのは大きな収穫」と手応えを語り、「これからは11月の皇后杯に向けて、ペアの精度をさらに高めていきたいです」と今後の目標を掲げた。

▼決勝
原口美咲/宮前希帆(ワタキューセイモア)G④-3小川木乃花/清水麻美(ダンロップ)
▼準決勝
原口美咲/宮前希帆(ワタキューセイモア)G④-0小林愛美/吉田澪奈(ヨネックス)
小川木乃花/清水麻美(ダンロップ)G④-2浪岡菜々美/久保晴華(ナガセケンコー)

原口美咲(ワタキューセイモア)

宮前希帆(ワタキューセイモア)

ファイナル5-⑦の惜敗だった小川木乃花/清水麻美(ダンロップ)

小川木乃花(ダンロップ)

清水麻美(ダンロップ)

取材・文◎能登亨樹 写真◎川原亮