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2025.09.18

【アジア選手権・各国の今①】韓国連盟の普及プログラムで、ブータンにソフトテニスが誕生。わずか1カ月で大会出場へ

第9回アジア選手権大会◎9月16~21日/韓国・ムンギョン国際テニスセンター

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ブータンの高校生、チュミ・リジン/ジャムヤン・チェダ

 約1カ月前、アジア連盟、国際連盟からのサポートプログラムにより、韓国のコーチが普及のためにブータンを訪れて、2週間ほどソフトテニスを高校生たちに教えてくれた。そして、今回、2選手がアジア選手権のダブルスに出場することになった。チュミ・リジン/ジャムヤン・チェダは17歳、18歳の高校生で、硬式テニスの経験が5年ほどあり、すぐに適応できたから大会参加になったのだ。

「初めての大会参加です。コーチを派遣してくれて、ラケットやボールなどの用具類、さらにこちらの大会参加までさせていただいた。子供たちも夢中になっているので、世界のトップを見られて、いろいろと感じることができると思います」とNAMGAY TSHERING団長。

 同国で誕生したばかりのソフトテニスだが、現在競技人口は8人。未来の可能性のある若い選手たちだから、今回の2人の経験が帰国後にどういう影響を与えるのか。

 現在、ブータンのメジャースポーツはサッカー、アーチェリー、バスケットボール、クリケット、テニス。そこにソフトテニスが入る日が来るならば、2人はフロンティアになる。

 大会3日目のミックスダブルス終了後、男子ダブルス1回戦に出場したが、タイのペアにG0-④と敗れた。ジャムヤン・チェダは試合後こう話してくれた。
「非常に素晴らしい経験でした。トライしましたが、ハードな面はありました。まずは、こんな素晴らしい機会を与えていただいたことに感謝しています」

 チュミ・リジンは、「初めての経験で、非常に楽しかったです。ブータンでポピュラーなスポーツではないですが、今回こういう大会でスタートをきれたのはうれしいです。私たちは元々硬式テニスをしていたのですが、ソフトテニスのボールは非常に難しい。その扱い方に苦労して試合ではタフな時間でした。硬式時代のサービスはフラットとスピンをしてきましたが、ソフトテニスではもっと一貫性が必要で、練習すべき点です」

 試合後は他の選手の試合を観戦して、何が必要なのかを感じたに違いない。これからが楽しみだという表情をしていた。

ゲームは奪えなかったが、歴史的な1日に

大会にも歓迎されて、ボールと用具などが贈呈された

文◎福田達 写真◎菅原淳