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2026.02.01

【強さをつくる食事学57】頑張る保護者のための、冬の食事ちょっとした見直しポイント

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 先月号では、冬の時期に起こりやすい食事量の低下や、成長期の選手に不足しやすいポイントについて紹介しました。寒い季節は空腹を感じにくく、本人も周囲も気づかないうちに、必要な量が足りなくなりやすいという特徴があります。今回はその内容を踏まえ、成長期のソフトテニス選手を、日々支えている保護者の視点から、冬の食事について考えてみたいと思います。

保護者の方と話をしていると、こんな声をよく耳にします。
「朝はぎりぎりまで寝ていて、あまり朝食の時間が取れません。そのため、シリアルに牛乳で食べたり、スムージーを飲ませたりします。」
「帰りが遅いので、体脂肪がつかないように夜は軽めにしています」
「食べさせすぎると、体重が増えないかと心配で……」

 どれも、お子さんの体調や生活を考えての、自然な判断ではないでしょうか。

 特に冬は、学校行事や日没の早さ、寒さの影響もあり、生活リズムが乱れやすくなります。その中で、毎日の食事を整えることは簡単ではありません。忙しい中でも「無理をさせない」「体に負担をかけない」よう気を配っている保護者の方は多いはずです。

 ただ、こういった気遣いが重なることによって、結果的に食事の量やタイミングが少しずつ後ろ倒しになりやすいともいえます。体重に大きな変化がなくても、練習後の疲れが抜けにくい、集中力が続かない、動きが重いと感じるといった変化が、じわじわと表れてくることがあります。

 ここで大切なのは、「もっと食べさせなければ」と構えることではありません。今すでにできている配慮を土台にしつつ、ほんの少し考え方を変えることが冬のコンディションづくりにつながります。まず朝食についてです。忙しい朝にたくさん食べさせる必要はありませんが、第1に主食を摂るということがポイントです。ご飯やパンなど、主食が少しでも入ることで、午前中の集中力や体の動きは変わってきます。「時間がない」「食欲がない」日でも、完全に抜かず、少量でも口にすることが大切です。もし、自宅を出発する時刻がかなり早い場合(5時台や6時台)、朝食を2回に分けて食べるというのも一つの方法です。朝練があるなら、自宅で軽くご飯と汁物を食べて、朝練後におにぎりとたんぱく源の卵やサラダチキンなどでも良いです。このようにすると、朝練のエネルギー源を自宅で、不足分を朝練後にきちんととれますね!

 次に夕食です。練習後の帰宅が遅くなる冬は、「夜遅くに食べるのは体脂肪がつくのでは?」と感じる保護者も多いでしょう。その場合も、食事を分けるというのも一つの方法です。練習後すぐに鮭入りおにぎり1個やサンドイッチ(ハム・卵など)と牛乳などを補い、帰宅後は不足分の炭水化物と具沢山味噌汁、脂質少な目のたんぱく源(赤身の肉、白身魚、卵や豆腐など)にする。練習後の帰宅時間が遅いので、がっつり食べるのは確かに気になるところです。分けて食べることで、胃腸が重くならず、体脂肪にも影響が出ません。逆にお腹が空きすぎて就寝するのも意外と眠りが悪くなるのです。このように食べ方を変えて、リカバリーを早めるようにすることが可能です。

 また、間食の考え方も冬は重要です。お菓子を完全に避ける必要はありませんが、練習がある日はお菓子より、練習のためのエネルギーの補充することを意識します。炭水化物を練習前に少しプラスすることで、次の食事までのエネルギー切れを防ぎ、練習後半の集中力維持にもつながります。

 冬の食事は、すぐに成果が見えるものではありません。しかし、この時期に整えた生活と食事のリズムは、春の大会や新学年での成長として、確実に表れてきます。すでにできている関わりを大切にしながら、少しだけ見直す。その積み重ねが、選手の身体と心を静かに支えてくれるはずです。

著者プロフィール
岡田あき子
体育学修士、管理栄養士。筑波大学大学院体育研究科修了後、大阪市立環境科学研究所附
設栄養専門学校にて栄養士免許、2011年5月管理栄養士免許取得。フリーランスで活動中
で、マンツーマン及びチームサポート、非常勤講師などや、スポーツインテリジェンスの
契約栄養士として東芝姫路、三重高校のサポートにも関わっている。