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2017.08.17

中学でソフトテニス部を選んだ理由はなんとなく。勝てるようになるなんて思っていなかった

【WEB連載】船水颯人『JKTへの道』#24 全中、小学校~中学時代

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8月19、20日に中学ナンバーワンを決める全国中学校大会〈全中〉が行われる。船水颯人の名前が全国シーンに躍ったのは、初出場して3位に入賞した中2(2010年)の全中個人戦。とはいえ、中1時には「全中に出場できるとは思っていなかった」という颯人。小学校時代に“遊び”で取り組んでいたこととは?

ソフトテニスマガジン・ポータルでは、船水颯人の2018年ジャカルタ(JKT)アジア競技大会に向けた取り組みをインタビュー連載で追っていく。船水颯人『JKTへの道』第24回は全中、小学校~中学時代について。

船水颯人/ふねみず・はやと 1997年1月24日生まれ、20歳。青森県出身。身長170㎝、右利き、後衛。黒石烏城クラブ(小1)→黒石中→東北高→早稲田大3年

全国3位、自分でも不思議でした

――今回は8月19日に開幕する全中について、聞きたいと思います。1年生のときは予選で敗れました。

1年生のときは県大会ですぐに負けました。僕自身、全国大会に出場できると思っていませんでした。まだ真剣にテニスに打ち込んでいなかったので(笑)。小学生の延長でしたね。テニス一筋でもなく、小学校高学年の頃はサッカーもしたし、野球もしました。中学で部活を選ぶときに、なんとなくソフトテニスを選んだだけです。

――なぜ、ソフトテニス部を選んだのですか。

家族がみんなしていたので(笑)。昔を思い出すと、いまほど勝てるようになるとは思わなかったです。カラダも小さいし、技術もずば抜けていたわけではありません。中学1年のときは、身長も140センチくらいしかなかったんです。パッと見、小学生でした。

――中2で全中に初出場しました。

気が付けば、勝ち進んでいましたね(笑)。いま中央大にいる小田桐(崇康)さんとダブルスを組んで、東北のブロック予選では1回戦から決勝まですべてG④-0。自分でも不思議でした。前年は県大会でも勝てなかったのに……。それが全国大会に出場して、3位ですから。

――急に身長が伸びたとか。

いや、体格はさほど変わっていません。運が良くて、勝ち進んだと思います。

中2の全中準決勝。右が船水颯人で中央が小田桐崇康、左は下山かおる監督

全中準決勝は当時上宮中1年の内本隆文(左)/丸山海斗と対戦し、2で敗れた

父の学校で高校生に相手をしてもらった

――運だけでは勝ちは続かないと思います。特別な練習などはしましたか。

父親が高校(弘前実業)でソフトテニス部を指導していたので、その練習に混ぜてもらっていました。中学の顧問の先生に「高校の練習に行ってきます」と伝えると、「行ってもいい」と快諾してくれました。先生の理解があったからです。

僕が通っていたのは地元の公立中学校で、特別な名門ではありません。ソフトテニス部には初心者もいれば、いろいろなレベルの選手がいました。それもあって、高校で少し練習したいなと思って。

――印象に残っている練習はありますか。

特にはないです。いたって普通の練習でした。ただ、高校生のボールはスピードが違いましたね。高校生からすれば、中学生の僕は相手にならなかったと思います。よく付き合ってくれたなと。いま振り返れば、本当に感謝ですね。

――いつから高校で練習を?

小学生の頃から父の高校には行っていました。最初から練習したわけじゃないですが。母も仕事をしていて、学校が終わってから家でひとりで留守番ができなかったので、必然的に家の近所の父が勤務する高校で時間をつぶしていたわけです。

最初はソフトテニス部の部室で兄とテレビゲームをしていまいた。そのうち一人で壁打ちを始めて、徐々にできるようになってくると、高校生にボールで遊んでもらうようになりました。自然と高校生とテニスをする機会があったんです。初めは女子選手のボールを受けて、そのうち男子選手のボールも受けられるようになってきて、それが楽しくて。

当時はボールで遊んでいるだけでした。実はその高校では壁打ちは禁止だったのですが、小学校の低学年のうちは大目に見てもらっていたんでしょうね(笑)。校舎の何階まで飛ばせるか、屋上を越えたら勝ちとか、自分でルールをつくって、一人遊んでいました。

――環境に育てられたのですね。

いまでも地元の青森に帰れば、当時一緒に遊んでくれた高校生の人たちとご飯を食べます。僕が20歳になったので、当時の高校生も35歳くらいになっていますけどね(笑)。面倒を見てくれた人たちには「大きくなったな」と言われます。テニスで遊んでくれたことは、いまでも感謝しています。

中2の全中

※次回は8月24日(木)に公開予定

>>船水颯人『JKTへの道』バックナンバーはこちら

取材・構成◎杉園昌之 タイトル写真◎阿部卓功 全中写真◎江見洋子

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