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2018.12.01

【ソフテニ姉さんが超体育会系の日々で学んだこと】人は自分が想像していた以上のことができる

本山友理インタビュー②ソフテニ姉さんの部活生アップデート

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本山さんの高校時代を一言で表すと…

Twitter界隈ではソフテニ姉さんの愛称でおなじみの本山友理@yuritenigon43 )さん。大学在学中からモデルとしてキャリアをスタートし、現在はパラスポーツを盛り上げる活動をしている。最近、結婚されてますます洗練された輝きを放つ本山さんだが、高校時代は強豪の中村学園女子高ソフトテニス部に所属し、選抜やインハイに出場したバリバリの前衛だった。

STMポータルではソフテニ姉さんの人生相談企画がスタート。その前に、姉さんの高校時代の超体育会系な日々を振り返ってもらった。第2回の今回は、入学当初「とにかく下手だった」という姉さんがインターハイに出るまで。その過程で得た学びとは?

スポーツは努力がそのまま結果に表れるのが好きなところ

――高2でインターハイに初出場(個人)。インハイに出るまでにどういう努力をしたのですか?

「とにかく下手」というのが顕著に分かっていたので、人が休んでいるときにやるしかなかったですね。寮に帰って、ヘトヘトなんですけど、中庭で素振りをするとか、反応を良くするためにいろんなところに跳ねるボールを打ったり。

同級生11人で前衛が5人。自分の番手より3人も前にいて、その子たちを一人ずつ抜かしていかないと団体メンバーに入れなかった。それが、1年の1月にたまたまケガ人が重なって、私が団体メンバーに入れてもらえることになったんです。その時に1番手の先輩と組んで出してもらって、普通にできた。そこから変わりましたね。

――チャンスをつかんだんですね!

チャンスはいつ来るか分からないので、結局、毎日やっておくしかないんですよね。こういうことがあるかもしれないからやっておこうというよりは、今の自分を変えるためにやり続けていた。

スポーツは努力がそのまま結果に表れるので、そこが好きなところです。やればやるだけ結果に出るし、大人になると、努力が報われないという人もいますが、学生時代のスポーツでは、努力は報われると思いますね。

――高2の秋にはキャプテンに。

高校に入って良かったなと思えた瞬間でもありましたね。入学のときには絶対にレギュラーになれないし、試合にも出られなくて3年間終わると思っていたんです。なんで私ここに来たんだろう、場にそぐわないと本当に思いましたし、先輩にも下手だと怒られたし、上手な子が先輩に良くしてもらっているのを見て、「わざわざ長崎から出て来たのに…」という気持ちになったこともありました。

――キャプテンになって先生への印象は変わった?

外薗(茂)先生は自分がこうしたら怒るというのを先に言っているので、生徒にしたら、自分が何で怒られたのかというのが全部分かるし、自分が悪いことも分かるんです。だから納得できる。

中村には、中学のときに鳴り物入りで注目されていた子が入ってくるので、最初はみんな本当にびっくりするくらいワガママなんですけど、卒業するときにみんないい子になって卒業していきます(笑)。親とか周りに甘やかされて育っていたところを、先生が全部壊すという。

――厳しいにも理由がある。

よく先生が言ったのは人間教育とナンバーワン。人間教育だけではなく一番を目指さなきゃいけない、一番を目指すだけではなく人間教育も必要っていう。その2つの柱だった。ナンバーワンを目指すことで得られることもたくさんあるし、そこ抜きで人間教育だけだと厳しい必要はなくて。ただ1番を目指すだけだったら、コート以外の部分で厳しくする必要もないでしょうと。その2つがあるからこその環境だったんだと思います。

――高2の選抜でベスト8。高3のインハイ前の名鑑で本山キャプテンは「選抜の雪辱を晴らします。チーム一丸となって優勝目指して頑張ります」と。

そうだそうだ。これ私が書いて、先生にもオッケーもらって。ただ2つの文章…追い詰められてた感ありますね(笑)。

――(名鑑を見ながら)中村の制服かわいいですね~。めっちゃ女子高生してますけど…。

毎日、100%テニスですね(きっぱり)。

高3のインハイは試合に出ないキャプテンでした(個人戦に出場)。団体戦で勝てる子って、個人の能力に関係ないんです。同級生で、練習ではあまりできていないのに、3番勝負で一回も負けなかった子がいて。団体戦の力の出方がハンパないので、自分が試合に出たいという気持ちは一切なく、その子に任せた。その子が負けるのなら、それがチームの力だからという考え方でしたね。チームの共通認識でもありました。

――団体戦に強い選手っているんですね。

個人の能力としては、私たちはみんな初日で負けてるんです。スター選手がいないときで、「個人戦で1日目で負けているのに、団体戦でベスト8は相当頑張ったと」とコーチに言われましたね。

――インハイ8強という成績については。

そのときは悔しかったですね。(写真を見ながら)私まったく笑ってない(笑)。時間が経てば、ベスト8は喜んでよかったと思うんです。この戦力でよく頑張ったと。

インハイでベスト8。手前が外薗先生、2人目がソフテニ姉さん

確かに全然笑ってない…

チャレンジする失敗する、時々成功する、全部含めて経験

――ソフトテニスをやっていて良かったと思いますか。

はい、もちろん。やってなかったとしたら逆に恐ろしい。自分の素質を考えると、人に対して生意気だったり、強く当たってしまったり。中学、高校時代のおかげで、人とマイルドに接することができたり、苦しいことを経験したから人に優しくできると、勉強した時期でした。

――今の仕事につながっていることはありますか?

基本的なところで言えばあいさつですね。あいさつをちゃんとするのが社会人になってからは大事。高校の部活で覚えた言葉で今でも使っているのが「お先に失礼します」という言葉。今でもよく使ってます。

――今、ソフトテニスを一生懸命やっている子に伝えたいことは?

自分の可能性を自分で決めないことですかね。私の中学のときの戦績や実力を考えれば、高校は中村なんてとても入れる状況ではなかったし、当時の周りはみんな「絶対、無理」と言っていた。

知らぬが仏の部分もあったかもしれないけど、1日、1日、自分が足りないところを埋めていく作業をすると、自分が想像していた以上の場所にたどり着けるっていうのがあります。それは学生時代だけではなく、今もそう。高校時代、私はマガジンに出るのが夢だったんです。ミズノ杯で写真がワンカット載って、すっごい喜んでいましたから。

今、こうして中高生にアドバイスをしませんかという企画をいただけるのも本当にうれしいです。ソフテニ姉さんとかちょっとふざけたネーミングですけど(笑)。電車の中で突然思いついて変えただけなんですよ。ベタな感じが逆にいいんじゃないかと思って。みんな姉さんと呼んでくれるようになってありがたいです。

――ナイスネーミングだと思います。

ありがとうございます。

話を戻すと、人は意外と自分が想像していた以上のことができるんです。だから、決めつけないで。最近は、ネットですぐ調べられて映像も見たりできるから、今の自分にできそうかどうかというのをすぐ判断しちゃいがちなんです。「何とかだからできないもん」と。

反対に言うと、私も中学のときに中村の映像をネットで見たら飛び込めなかった。情報を知るということは役に立つこともいっぱいあるんだけど、実際に自分が行ってできるかどうかは、飛び込んでみないと分からないことがいっぱいある。まずはチャレンジしてほしいです。失敗してもそれにも絶対価値はあるし、一回目で成功しようとしなくていい。

――ソフトテニスは可能性を引き出してくれるスポーツ?

私の場合はそうですね。ただ、自分の人生にチャレンジできるものであれば、何でもいいとは思うんです。スポーツでも、勉強でも。人生1回しかなくて、自分の人生を磨く作業をし続けられるものを選べばいい。大人になったら努力しなくていいというのは全然ないですし、高校の時よりも私は今の方が勉強しています(笑)。

子供の時って、子供の時だけ頑張ればいいっていう意識があるかもしれないですけど、学びは一生続いているので。中学高校の学びっていうのは木の下の根っこの部分。何を経験するかというよりも、経験する、チャレンジするクセをつける、根をより多く生やすという感じでいいんじゃないのかなと。

成功しなきゃいけない、勝たなきゃいけないというのを目指すのではなく、チャレンジする失敗する、時々成功する、全部含めて経験したらいいんじゃないかと思いますね。

その3に続く…。

その1はこちら


本山友理
長崎県生まれ。身長170cm、右利き、前衛。精道中→中村学園女子高→法政大。高2時にインハイ個人出場&選抜8強、高3時にインハイ個人出場&団体8強

 

 

写真◎橋田ダワー 取材・文◎内田麻衣子

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