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2023.11.18

【全日本・2日目】全日本選手権2日目、8強決まる! 果敢にダブルフォワードで勝負したインハイチャンプ・坂口/野本(尽誠学園)は3回戦で姿消す

第78回全日本選手権◎11月17、18日/有明テニスの森、19日/有明テニスの森、有明コロシアム

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多くのファンから応援を受けていた坂口/野本。会場に足を運んだ中高生の観客からは「坂口/野本の試合をもっと見たかった」という声が聞こえてきた。「たくさんの方が応援してくださり、感謝の気持ちでいっぱいです」と野本。「ダブルフォワードで挑戦したことは、今後、国際大会を目指す上でも、高校選抜でも生かせると思うので、これからもがんばります」と坂口

 8強までを決めた全日本選手権2日目。この日は男女で屋外コート16面を使用し、トーナメントの様相は熾烈を極め、激戦が展開された。男子では、4連覇を狙う第1シード船水/上松、NTT西日本ペア3組、学生ペア4組が明日の準々決勝へと進んだ。

 昨日から持ち越された2回戦の残りから始まった全日本選手権2日目。昨年、高1・高2ペアながら8強入りをかけた一戦でファイナル負けを喫し、紙一重の差で16強となった坂口生磨/野本凌生(尽誠学園)は、今シーズン、インハイ団体・個人2冠に加え、野本はハイジャパ単も制していた(チームとしては高校三冠達成)。前回の全日本選手権で「体力が足りていない」(坂口)など、さまざまな課題も見つかり、さらなる活躍を目指し、この一年、競技力を高めきた。

 初のハードコートでの戦いとなった今大会。ふたりは雁行陣でいくか、ダブルフォワードで挑戦するのか、迷っていたという。「全日本選手権直前に行われた、有明でのアンダーの合宿時にダブルフォワードでやってみたら、手ごたえもあったので、今大会はダブルフォワードで『挑戦していこう』と野本さんと決めました」と坂口。初日から、坂口/野本はゆるぎない意志のもと、果敢にダブルフォワードで相手に向かっていった。

 2日目、3回戦ではU-20&ナショナルチームの橋場柊一郎/菊山太陽(法政大)との一戦となった。大学生ペアはダブルフォワードのミスを誘うテニスで、コースを突いていく。坂口/野本はこの日の厳しいラリーの中でも瞬時にネットプレーで応戦し、資質の高さを見せた。だが、G2オールから大学生ペアに突き放され、粘ったもののG3-⑤で涙をのんだ。3回戦での敗退となったが、初日から二人の戦いぶりには「ダブルフォワードで挑戦するんだ!」という強固な軸があり、高みを目指す意志がプレー姿から伝わってきた。今後、国際大会で戦う立場になるためにも、ダブルフォワードでの実力を高めることは必須だ。先のソフトテニス人生を見据えた上で「勇気を持って」、最高峰の舞台で挑戦したことは大きな意義があった。

「昨年、ベスト16となり、シードをもらった今年は『見られる』という意識もありました。その中で、橋場/菊山との一戦で自分の最大限の力を発揮していくことはとてもむずかしかったです。本気で天皇杯を狙っていくというのには、まだまだ自分はほど遠いんだと思い知らされた大会となりました。でも、目標となる選手と戦い、あと一歩と思える部分もあったので、これからの頑張りにもつながると思います」と野本。ぜひ、今回の挑戦を、今後の飛躍へのきっかけにしてほしい。

 明日の準々決勝進出を決めたのは、4連覇を狙う第1シードの船水颯人/上松俊貴(稲門クラブ/NTT西日本)、内本隆文/内田理久、丸中大明/村上雄人、広岡宙/長江光一(ともにNTT西日本)、竹田凌/増田洋五豊、片岡暁紀/黒坂卓矢(ともに日本体育大)、荒木駿/矢野颯人(早稲田大)、橋場柊一郎/菊山太陽(法政大)。船水とNTT西日本勢7名、そして学生ペアが半数の4ペアとなった。史上初のハードコートでの全日本選手権のタイトルは、どのペアの頭上に輝くのだろうか。今から楽しみでならない!

今大会は学生ペアの奮闘が光る。インカレ複王者の片岡/黒坂は8強決めでG2-4から逆転のファイナル勝ちで準々決勝進出を決めた

第2シードの広岡/長江も順当に準々決勝に進んだ

 

取材・文◎八木陽子 写真◎菅原淳

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