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2024.06.10

【インハイ岡山予選】男子は岡山理大附が9大会連続33回目のV!女子は就実が5年連続42回目の制覇!常味真人/石灘蒼瑛、柴田凛/山本萌衣紗は2冠に

【インハイ予選2024】岡山◎6月1、2日(個人)8日、10日(団体)/岡山市・水島緑地福田公園テニスコート、浦安総合公園テニスコート

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倉敷工業との決勝を三番勝負の末にものにした岡山理大附

 岡山県のインターハイ予選(団体)は6月8日から10日(9日は雨天順延に)まで、岡山市の浦安総合公園テニスコートで行われた。8強決めから始まった2日目、男子は岡山理大附、女子は就実が県を制し、長崎で開催されるインターハイへの切符を手にした。

男子●岡山理大附、苦戦の末に頂点に

 岡山理大附は、昨年の準決勝で苦戦を強いられた倉敷工業と、今年は決勝で激突した。前年は第1試合を奪われ、第2、第3試合をものにしての勝利だった。

 今回は、第1試合を吉川憲二朗/本間優作の3年・2年ペアがG④―1で先勝し、続く第2試合では、昨年、第1試合に出て黒星を喫した今田迅/茶木將臣が悔しさを払拭すべく、登場。優勝を決められる権利を得ての戦いとなったが、「逆に力んでしまった」と茶木。倉敷工業の安藤明樹/𠮷田琢珠がG④―1で三番勝負へつなげた。

 岡山理大附にとって今大会初の三番勝負、互いにレシーブゲームキープで岡山理大附の2年ペア・脇岡侑吾/石灘蒼瑛は倉敷工業・三宅颯空/松田斗和に先にリードを許す展開で序盤は進んだ。三宅の重量感ある打球が深く差し込み、松田が思いきりよく飛びついてくる中、脇岡/石灘は耐えながら引かずに、踏ん張る。それが第5ゲームにつながる。三宅の逆クロスからの強打に脇岡は押されながらも「入れ」と、バックでラケットを振りきった。そのボールはサイドラインぎりぎり内側に収まった。このあと倉敷工業ペアにレシーブミスが続き、理大ペアがG3-2と初めてリードを奪った。

 その流れに乗って第6ゲームもレシーブで攻め、2-0。その後、倉敷工業ペアも意地で2オールに戻したものの、最後は脇岡の厳しいレシーブから甘いコースに入った相手の打球を石灘がボレーで3-2、マッチを握った6ポイント目は石灘がレシーブ&ボレーを華麗に決めて、9大会連続33回目の優勝をもぎ取った。

「後手後手に回ってしまって、まだまだです」と岡山理大附の今田瑞基監督。今大会は1試合の中で、1ゲームの中で、リードを許し、踏ん張って奪い返すといった場面も多かった。「競ったときに、ミスなく決められるメンタルをつける練習をしていきたいです」と茶木。1番手から4、5番手までは拮抗しているという岡山理大附。残り約1カ月半、層の厚い戦力の中、互いに競い合ってチーム力を確実に高めていく。

決勝トップに出た岡山理大附・吉川/本間

決勝三番勝負を制した岡山理大附・脇岡(写真)/石灘

男子優勝の岡山理大附

女子●春から着実に力をつけた就実が頂点に

 今年の決勝も就実(第1シード)と山陽学園(第2シード)の一騎打ちとなった。今春の高校選抜、準決勝で優勝した東北に0-②で敗れて2年連続4強となった就実、同大会2回戦に進出し、第1シードの和歌山信愛に三番勝負までもつれる競り合いを演じた山陽学園。ともに、春の戦いで悔しい思いを残しており、夏のインハイで雪辱を果たしたい気持ちが強かった。

 予想通りの息詰まる激戦となった決勝。第1試合、就実の大将ペア、柴田凛/山本萌衣紗は、山陽学園の2年、1年ペアの川田怜花/佐々木莉子にG0-2とされる。並行陣の柴田/山本に対し、雁行陣の山陽学園ペアは川田が辛抱強くつなぎながらも展開をつくり、佐々木が思い切りよくラリーに絡んでポイントを挙げていく。しかし、ここから吹っきった柴田/山本は先に仕掛けたり、甘くなった相手のポジションを突いたりとギアを入れた。主導権を奪い返した就実ペアは、一気に4ゲーム連取し、白星をゲット。

 続く第2試合は並行陣同士の戦いとなる。就実は春の選抜準決勝で第3試合に回り、出番なく選抜を終えて悔しさを残していた仲村早百合/近坂優衣、対するは山陽学園の3年ペアの馬島沙英/辻田莉夢(「つじ」はしんにょうのテンは1つ)が登場。サービスゲームキープで常に山陽学園ペアが先にゲームを奪う展開となり、G2-1とリード。だが、仲村/近坂は「3番に回す気はなかった」。中盤から仲村がさらにシュートを加速させ、近坂は機を見ては前でチャンスを伺い、浮いたボールをネットプレーで仕留め、一気に3ゲーム連取し、G④―2。難敵山陽学園に対し、「自分たちの得意なプレーに持ち込み、自分たちのペースで」(仲村)戦えたことが逆転につながった。

 5大会連続42回目の優勝を決めた就実。「ストロークだけでは勝てない。チームが勝つためには、強さを出すために並行陣から雁行陣になるなどして強さを出す。そういった課題を持って取り組みました」と就実の篠埜未住帆監督。春の選抜では、まだそれがやりきれずに東北に敗れた。その経験を踏まえ、春から夏に向けて、チーム一丸となって、多様な陣形を生かすテニスに磨きをかけた。

 あと一歩で頂上決戦を、頂点を、逃した悔しさを糧に強みを増やしてきた就実が、夏の舞台でどのようなパフォーマンスを繰り出していくのか。今から楽しみで仕方がない!

決勝、第1試合で先勝した就実・柴田(写真)/山本


決勝の第2試合に出て、優勝を決めた就実・仲村/近坂

女子優勝の就実

RESULTS
▼男子団体
第1位 岡山理大附
第2位 倉敷工業
第3位 東岡山工業
第3位 岡山南

▼女子団体
第1位 就実
第2位 山陽学園
第3位 岡山南
第3位 倉敷中央

▼男子個人
第1位 常味真人/石灘蒼瑛(岡山理大附)
第2位 今田 迅/茶木將臣(岡山理大附)
第3位 脇岡侑吾/佐藤優真(岡山理大附)
第3位 田原侑晟/森 涼哉(岡山理大附)
第5位 清家蒼人/井手凛太(岡山理大附)
第5位 吉川憲二朗/本間優作(岡山理大附)
※5位出場者2ペアは代表決定戦による。 3位以下の順位決定戦はなし

▼女子個人
第1位 柴田凛/山本萌衣紗(就実)
第2位 足利茉奈/髙島心菜(就実)
第3位 渡邉 和/神﨑萌花(山陽学園)
第3位 仲村早百合/近坂優衣(就実)
第5位 馬島沙英/辻田莉夢(山陽学園)
第5位 石井さつき/越宗紗來(岡山南)
※5位出場者2ペアは代表決定戦による。 3位以下の順位決定戦はなし

協力◎岡山県高体連専門部 取材・文◎八木陽子 写真◎松村真行