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プレー&コラム
2025.09.20

【アジア選手権・各国の今②】国別対抗初戦で日本に敗れるも、存在感を示したマレーシア。若い選手たちが未来を作っていく

第9回アジア選手権大会,韓国・ムンギョン国際テニスセンター,マレーシア

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試合後に日本選手たちと

 国別対抗初戦で日本に敗れたが、果敢な戦いを挑んだマレーシア。国内に競技人口は50人強ではあるが若い選手がほとんどで、ソフトテニスに夢中になっている人も多いという。国別対抗シングルスで上松俊貴と対戦したプージ・シンは今回選手兼コーチで参加しているが、ある日本人との出会いがソフトテニスを始めるきっかけになったと言う。

「それまでは硬式テニスをプレーしていましたが、ちょうど1年半前、日本人の友人から紹介されてプレーしてみました。ボールをラケットでヒットした感触は違うなと感じて、レベルを上げるには時間が必要だと思いましたが、何とか今のレベルまで達することができたと思います。種目としては似ていますが、こちらに何か魅力を感じたのでプレーを続けて、こういう機会をいただくことできました」とプージ・シン氏。

 1番のダブルスに出場したランバオはこちらも硬式テニス出身で力強いストローク力があり、フットワークも安定していた。ソフトテニスをプレーしてみて、硬式テニスとの違いが魅力に感じたと言う。

「魅力はスピンなどでボールが変化すること。これは硬式のボールと大きな違いがあります。同時に、ソフトテニスを始めて間もない私が国際レベルの大会に参加できるのも魅力の一つですね。だから、今回も非常に楽しんでいます。日本はソフトテニスの歴史があるし、レベル差が大きいですが、対戦できるのはうれしいしかありません」

 ランパオとのダブルスで出場したブレンドンは10年間のキャリアがある。
「一緒にソフトテニスをプレーして国際大会に出場してみないかと誘われたのがきっかけです。初めて10年が経過しますが、実際にも今回の大会に参加できています。ソフトテニスではスライスショットが好きで、自分はこのスポーツに適応していると思います」

 競技人口が若いから今後は増えていく可能性を秘める。ピックルボールも少しずつ拡大を狙っているそうだが、選手たちはソフトテニスの方に魅力を感じていると言う。14歳のジェイはプレーして2年になるが、「こういう大会に出場できて、本当にうれしい」と話す。ブータンの高校生など、1年に満たない選手たちが意外にも出場している。自分の試合だけでなく、トップレベルの試合を見て、感じて、対戦して、さらにキャリアの視界が広がる。

2番シングルスに出場したプージ・シン選手兼コーチ

 

文◎福田達 写真◎菅原淳