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2020.07.10

レジェンドペアのシノコバも登場! 人気上昇中のMasatoチャンネルが、LIVE配信にも注力する理由とは?

荻原雅斗のカンボジア通信【不定期連載17】

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シノコバは船水雄太にとってもあこがれの存在。LIVE配信では「青森の天皇杯でシノコバを見て、世界一を目指そうと決めた」という秘話も

カンボジアヘッドコーチの荻原雅斗さんによるMasatoチャンネルの、LIVE配信が人気上昇中だ。6月中旬にはレジェンドペアのシノコバこと篠原秀典(日本体育大監督)と小林幸司(ミズノ)がゲスト出演し、約1時間の配信を5000人以上が視聴した。さらに、ナショナルチーム女子の石井友梨、大槻麗など現役選手とのLIVEも積極的に行い、選手の素顔を見られるメディアとしても定着しつつある。動画ではなく、LIVEにこだわる理由を聞いた。

 荻原雅斗/おぎわら・まさと
1990年7月1日生まれ。岐阜県多治見市出身。Global Grow Cambodia 代表取締役社長。青年実業家。 東北高→中京大→カンボジア。ソフトテニスを12年間続け、学生時代に三度の日本一を獲得。現在はカンボジアソフトテニスナショナルチームのヘッドコーチとして活動中。また、教育(スポーツ・音楽・文化交流)という軸でさまざまなプロジェクトの構築を行っている

発信活動を続けてきたから、シノコバと話せた!

ーーLIVE配信、とても面白かったです。シノコバがそろって出演なんて、驚きました。

 篠原さんと小林さん、それぞれとお話ししたことはあったのですが、お二人と同時にお話しする機会は初めてで……。配信を見ていただいた方は分かると思うのですが、僕はめちゃくちゃ緊張してしまいました。でも、同じ画面に並ばせてもらって。こんな機会は、発信活動を続けてこなければ無かったと思います。お時間をいただくことができ、本当に感謝しています。

ーーゲスト出演のきっかけはあったのですか?

 昨年フィリピンで行われたアジアユニバースで篠原さんとお話しする機会があり、僕のYouTubeでやりたいことや実現させたいことを聞いてもらいました。そのとき、「立場上、技術指導は難しいけれど、何か力になれることがあれば」と言っていただいて。さらに、5月に僕と船水雄太と小林幸司さんの3人でLIVE配信をさせてもらったときに、シノコバペアとしての出演も依頼したんです。今回のコロナ自粛で外での撮影が難しかったとき、LIVE配信なら在宅でいつでもできると思って、あらためてお二人にお願いしました。今できることをやりたい、という趣旨にも賛同いただけたのかと。

ーーLIVEなので動画撮影以上に準備が大変そうですが、進行もスムーズで。

 LIVE配信の進行は基本的に僕が行いますが、質問内容や時間配分、締めのタイミングなどは事前にゲストにも共有しています。NGネタはないかなど、すり合わせた上で本番を迎えるので、その辺はスムーズかもしれません。加えて、動画の視聴者は小中学生を中心に若い方が多いので、今回は最初に船水からシノコバを紹介してもらいました。戦績はもちろん、人柄にも触れてもらって。その上で、お二人に、現役時代に感じていたことや今のソフトテニス界についての思いを話してもらいました。

 LIVE配信のトークで気をつけているのは、ネガティブな内容ばかりで終わらないことです。途中にネガティブな話があっても、最終的にはポジティブに持っていけるように。それから、時間も長くなりすぎないように注意しているのですが……。シノコバの回は30分程度の予定が、盛り上がって1時間を超えてしまって。でも、5000人以上の方に見ていただいたようで、シノコバの変わらぬ人気ぶりを感じました。

メディアが選手の言葉を拾わないといけない

KUNOICHI JAPANことナショナルチームのダンロップ・大槻麗(左下)と、ワタキューセイモア・石井友梨(右下)

ーーシノコバの他、ナショの石井友梨(ワタキューセイモア )、大槻麗(ダンロップ)とは、すでに2回LIVE配信しています。

 5月に(公財)日本ソフトテニス連盟公式のインスタアカウントTwitterアカウントが開設されましたが、主に石井選手と大槻選手が運営していると聞き、LIVE配信を提案したんです。開設のタイミングで、まずはアカウントのフォロワーを増やす必要がありますから彼女たちも発信したいことが多いのではないかと。ぜひやりましょう!と、テンポよく配信が決まりました。

 2回とも、テーマは公式アカウントでの発信について。公式アカウント開設時につくられた、KUNOICHI JAPANという愛称を知ってもらうこともできたのではないかと思います。KUNOICHI JAPANでは石井選手が最年長で大槻選手がその一つ下ですが、長年日本のトップにいる2人だからこそ感じるジレンマがあり、下の世代の子たちには同じ思いをしてほしくないという気持ちがあると。何より、もっとソフトテニスを知ってもらいたいという熱い思いを、ひしひしと感じました。

 でも、熱いトークの中に、いい意味でゆるい感じがあって。2人は船水雄太と早稲田大の先輩後輩なので(石井が4年時、大槻が3年、船水が2年)、時々横道にそれながら楽しく話ができました。「友梨さんが自主練する背中を見て、みんな練習していたよね」(大槻)、「そうっすよね!」(船水)というエピソードもあったり。こういうちょっとした思い出話などでは、選手のオフの顔というか素顔を見てもらえると思うので、どんどん機会を作っていきたいと思っています。

ーーLIVE配信ならではの、温度感がありますね。

 オンラインミーティングの様子を撮影し、それを編集して後日公開することも、もちろん可能です。僕のチャンネルの動画でも毎回オープニングで雑談をして、できるだけゲスト選手の素顔を見てもらえるようにしていますが、撮影動画ではどうしても時間が限られてしまいます。でも、在宅でのLIVE配信なら時間がたっぷりあるので、選手が思いを十分に伝えられる。視聴者がコメントで質問をくれて、リアルタイムでつながっている感覚があるのもうれしいです。応援してくれる視聴者の声は大事にしていきたいですね。

 ソフトテニスの選手は、みんな熱い思いを持って活動しているのに、うまく伝えられないことが多いと感じています。だからこそ、選手の言葉をメディアが拾ってあげないといけない。選手が一人で発信するのは難易度が高いので、僕をうまく使ってもらえればと思っています。LIVE配信もその一つのきっかけになればと。一度経験して発信のハードルが下がれば、選手の発信がもっと盛んになり、結果的にソフトテニスの競技発展にもつながっていくと信じています。

続く、直行便の欠航。
カンボジアになかなか帰れない……。
 
「カンボジアチームの活動はどうなっているの?」と聞かれることが多いです。カンボジアチームのメンバーは今もホームタウンで過ごし、解散状態が続いています。カンボジアでの仕事もあるので落ち着いたら帰りたいですが、直行便が欠航していて、他国経由での帰国も難易度が高すぎて動けない状況が続いています。
 ★LIVE配信を見逃した方も、こちらから視聴できます!

 

写真◎荻原雅斗氏提供 取材◎井口さくら