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2021.02.14

2021年4月に発足6年目を迎えるカンボジアチーム。荻原雅斗コーチは裏方へのシフト希望も、課題あり

荻原雅斗のカンボジア通信【不定期連載18】

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2021年1月、ラケットショップタジマヤの川端さんが送ってくださったボールとともに元気な笑顔を見せるカンボジアチームのメンバー

カンボジア代表チームのヘッドコーチを務めるエースマネジメントの荻原雅斗さんが、約10カ月ぶりにカンボジアへ戻った。不定期連載の第18回は、カンボジアチームの現状とこれからについて。4年周期の国際大会を一通り経験し、チームが次のステップに進むためにも裏方に回るべきだと考えている荻原コーチだが、そこには、いくつもの壁があるという。

荻原雅斗/おぎわら・まさと
1990年7月1日生まれ。岐阜県多治見市出身。エースマネジメント代表。 東北高→中京大→カンボジア。ソフトテニスを12年間続け、学生時代に三度の日本一を獲得。現在はカンボジアソフトテニスナショナルチームのヘッドコーチとしても活動中。また、教育(スポーツ・音楽・文化交流)という軸でさまざまなプロジェクトの構築を行っている

いつまでも外国人の僕がコーチを続けるのは変

ーー2020年3月ぶりにカンボジアに戻ることができたそうですね。まずはカンボジアチームの状況を教えてください。

 2020年12月のJAPAN GP 2020の後、カンボジアに渡り、2週間のホテル隔離生活を含めて約1ヵ月ほど滞在して帰国しました。カンボジアチームは、一度コロナの市内感染が出た時期に3週間程度活動できない時期がありましたが、その後は市内感染は出ていないため、この一年はあまり変わらず活動できていました。ただ、チームのメインの活動場所である『ソフトテニスコート』がPCR検査の会場になったりして、中断したこともあったようです。

 もちろん、人の集合を避けるという感染拡大防止対策はカンボジアでも変わらないので、この1年間は国内大会も全くない状況。その点では、選手のモチベーションの維持がとても難しく、練習を見ても気持ちが乗っていないなと感じるのは正直なところです。

 カンボジア国内にワクチンが入ってくれば、スポーツ選手は優先的に接種できるという話を聞きましたが、一方で大会については国からOKが出ないと開催できない状況なので、今年は例年通りのシーズンになるかどうかは、なんとも言えないですね。

ーー以前、カンボジアチームのコーチについては少しずつ現地の方に渡していきたいというお話がありましたが、それは変わっていないのですか?

 2015年4月にヘッドコーチに就任してから、4年周期の国際大会を一通り経験させてもらいました。正直なところ代表を引退した選手の中には、コーチをやってみたくても僕がいるから遠慮して言えないという人もいると思うんです。僕自身は「そろそろ裏方に回ってもいい」と伝えていますが、チームとしては「もう少しやってほしい」というのが答えで……すぐに裏方へシフトするのは難しいのが現状です。

 理由の一つには、僕が現場にいたほうが楽というのもあるかと思います。国際大会ではマネージャー業や通訳的なことも担当しているので。いつまでも外国人の僕がコーチをしているのも変だとは思うのですが、自分が抜けられるしくみをなかなか作れないのはネックですね。

2015年から20回以上出場した国際大会の名札の一部

 それと、用具調達の面でも課題があります。カンボジアにはソフトテニスグッズのお店がないので、ラケットやシューズ、ストリングに関しては僕を通じてヨネックスさんに提供いただいていて、僕が離れてしまうと用具のサポートが受けられなくなってしまうんです。

ーーそれは大きな問題です。ボールやグリップなどはどうしているのですか?

 カンボジアにはテニスショップはあるのでグリップは調達できます。ボールは日本への一時帰国時に安い練習球を買って帰っていましたが、最近は、僕が共同代表を務めるエースマネジメントに、ナガセケンコーさんがスポンサーとして加わってくださり、会社に提供くださるボールはカンボジアに渡してもいいと言っていただいていて。カンボジアコーチとしての取り組みも応援してくださっているのが分かったのは、うれしかったですね。

 このように、カンボジアチームとしていろいろな課題があるので、表向きは徐々に現地の方に渡しつつ、僕は完全に離れるというよりは裏方に回るというイメージで進めています。

エースマネジメントがナガセケンコーから提供された練習球の一部は、カンボジアチームも使用

2021年は、カンボジアと日本の2拠点生活を目指す

ーー話は変わりますが、国際連盟の広報委員に最年少でノミネートされたそうですね。

 1月に正式に決まりました。クラウドファンディングで開催したJAPAN GP 2020のYouTubeは世界的にも見られていたみたいで、それが評価されたようです。国際連盟としても、今後さまざまな賞金大会を開催していきたいとのことで、一度経験している身としてアドバイスを求められました。せっかくいただいた機会ですし、モチベーションにもなっています。役割を全うできるようにできる限りのことをして、積極的に意見もしていきたいですね。

ーーますますお忙しくなりそうですが、これからの活動拠点は日本とカンボジアのどちらに?

 コロナ禍で、2020年はほとんど日本で過ごしましたが、カンボジアでやりたい事業もあるので、2021年は再びカンボジアをベースに日本との2拠点生活を継続していくつもりです。

 それと、日本で撮影しているYouTubeのMasatoチャンネルは、これまで日本のトップ選手の露出機会を増やすためにという思いでやってきましたが、エースマネジメントのオンラインスクールなどで選手をサポートする保護者やコーチの方々と接する機会が増えて、今年はYouTubeを見てくれている人やオンラインスクールの生徒さんにもっと還元したいと思うようになりました。エースマネジメントとしてもカンボジアコーチとしても、2021年は裏方へのシフトを目指す勝負の年になる気がしています。

荻原雅斗のカンボジアあるある
⑨飲む点滴と言われるココナッツジュース!
 荻原さんがカンボジアで毎日飲むココナッツジュースは飲む点滴と言われるほど栄養価が高く、カンボジア人も毎日飲んでいるという。人の頭くらいの大きさの実には果汁が500mlほどたっぷり入っていて、値段は約75円! スポーツドリンクのような味で飲みやすいそう。

写真◎荻原雅斗氏提供 取材◎井口さくら

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