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2015.07.30

男子個人戦チャンピオンは内本/丸山(大阪・上宮)

近畿インターハイ2015

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PHOTO/HIROKUNI KAWAGUCHI
7月30日(木)、奈良県橿原公苑明日香庭球場にて「近畿インターハイ」ソフトテニス男子個人戦2日目が行われた。1日目の激戦をくぐり抜けたベスト32のペアは、順当に勝ち上がったシード選手も、大金星をあげたダークホースも、それぞれにドラマを抱えた凛々しい顔でコートに現れた。
 
 本日も気温は30度を超え、じりじりと肌を焦がすような日差しのもとで選手たちはハイレベルな試合を繰り広げた。1日目に敗退した選手の多くが、勝ち残った同世代の選手の勝ちざま、負けざまを見守るようにコートを囲む。日本一を競う大会にふさわしい好プレーに、たびたびコートはどよめき震えた。
 
 準決勝は内本/丸山(大阪・上宮)対中村/川嶋(福島・学法石川)と、因/米澤(石川・能登)対溝端/金子(奈良・高田商)。混戦模様と言われた男子個人だったが、ベスト4には誰もが納得する実力者たちが顔を揃えた。同時進行された両試合、第2コートでは内本/丸山が第一シードの貫禄で中村/川嶋を押しきり、通路を挟んだ向かい側の第7コートでは、白熱するストローク戦を制した因/米澤が決勝に駒を進めた。
 
 そして決勝戦。インターハイ決勝では毎年ドラマが生まれるが、今年ほど劇的な幕切れはそうない。序盤、順当に勝ち進んできた内本/丸山は、接戦を制し勝ち進んできた因/米澤の勢いに押された。因のラケットは振るたびに鋭さを増し、米澤の勝負勘が冴えわたる。ゲームはあっという間に、能登がゲームカウント3-0のリードをつかみチャンピオンに王手をかけた。このとき、試合を見守る半数は能登の勝利を確信したかもしれない。しかし残りの半数は「このまま終わるはずがない」と予感しただろう。インターハイという大舞台には、一筋縄ではいかない何者かが潜んでいるのだ。
 
 因/米澤は好調だった。因のシュートボールは鋭い軌道を描き続け、米澤も巧みなポジショニングで展開を動かした。ラリーは拮抗し、流れがどちらにあるのか一見しただけではわからなかった。しかし、徐々に差は詰まる。内本/丸山は、決して大きな流れを掴んだわけではない。ただ、一本一本に集中し、得点を重ねていく。そして、ゲームカウント0-3という圧倒的な点差を覆し、逆転勝利をおさめた。ファイナルゲームの最後の最後まで、両ペアは一進一退の攻防を続け、会場は異様な空気に包まれた。勝利の瞬間、内本がラケットを天に投げると、張りつめていた観客席は一瞬静まり返り、次の瞬間、安堵と歓喜に包まれた。
 
※トップ写真は、優勝旗を受け取る内本/丸山(大阪・上宮)ペア。6月に開催されたハイスクールジャパンカップで連覇を遂げ、優勝候補の大本命として迎えた本大会。期待に応える活躍を見せ、夏の王者に輝いた。
 
(ソフトテニス・マガジン/◎Q本)

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