船水颯人が語るコリアカップ「スピードのあるテニスを追求し、準備を続けてきた成果が出た」
【WEB連載】船水颯人『JKTへの道』#28 コリアカップシングルス優勝
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8月22~28日に韓国・安城で行われたコリアカップ(第1回アジアカップ)。キム・ドンフンらは出場しなかったが、船水颯人はシングルス決勝で韓国期待の若手キム・テミンを下し、シングルス王者に輝いた。2018年ジャカルタ・アジア競技大会の1年前に行われたこの国際大会で、船水颯人は何を得たのか。
※第1回アジアカップは、東アジア競技大会がユースの大会(東アジアユースゲームズ、2019年開催)となったため、4年に一度のソフトテニスの国際大会として今年から新たにスタート。今年は、韓国で毎年行われているコリアカップを『兼第1回アジアカップ』として開催した。
ソフトテニスマガジン・ポータルでは、船水颯人の2018年ジャカルタ(JKT)アジア競技大会に向けた取り組みをインタビュー連載で追っていく。船水颯人『JKTへの道』第28回はコリアカップシングルスについて。
船水颯人/ふねみず・はやと 1997年1月24日生まれ、20歳。青森県出身。身長170㎝、右利き、後衛。黒石烏城クラブ(小1)→黒石中→東北高→早稲田大3年
「やっぱり、俺はこれじゃない」と仕切り直し
――コリアカップのシングルス優勝、おめでとうございます。インカレのシングルス制覇に続き、大舞台でのタイトル獲得ですね。
インカレのシングルスとは内容が全然と言っていいくらい違いました。前回の連載でもお話したように、インカレは自分の思うような戦い方ができませんでした。練習でしてきたことをコートで出せなかったので。「やっぱり、俺はこれじゃない」って。一度仕切り直しました。
――自分の戦い方を再確認するために、大会前には何をしたのですか?
コリアカップの前にミニ国体のシングルスに出場し、実戦の中で戦術の確認をしました。あまり具体的には言えないのですが、迷いはなくなりました。コリアカップでは、落ち着いて戦えたと思います。
――自分が思い描く「攻めのテニス」ができたと。
相手によって戦い方は変わるので、一概には言えません。今年の全日本シングルスでは一方的に攻めましたが、コリアカップはまた違いました。韓国の選手は速い展開に強いので、意識して相手の土俵だけで勝負しないようにしました。
――相手の土俵で勝負しないために気をつけたことは?
緩急を付けること。相手のペースにのまれないようにしていました。あくまで、相手があっての駆け引きです。あとはショットの精度。クレーコートだったので、ボールが滑りますし、そこは試されたところだったと思います。
来年はハードコートなので、また戦い方は変わる
――最も良かったショットは?
この1本というより、フォアとバックもストロークで、相手に負けないスピードボールを打てたと思います。さきほど言ったこととは少し矛盾しますが、要所ではスピードボールを打つことも必要です。相手のスピードボールに対応できたことも大きかったです。実際、韓国の選手にスピードで押される試合はなかったと思います。しっかり拾えて、打ち返せました。
――快勝だったと言っていいですか?
楽な試合はなかったです。むしろ、決勝はコートに入るまで勝つビジョンが見えなかったです。同学年のキム・テミンは高校時代から知っていて、昔からずば抜けて強かったんです。ただ対戦はなかったので、どうやって勝てばいいのか、イメージできませんでした。身長も2メートル近くあり、力がありますからね。サービスも僕の顔の位置くらいまでボールがはねてきて……。日本では経験できないことですね。規格外でした。
――それでも、勝てました。
先ほど話した相手の速いテンポだけで、テニスをしなかったことですね。リズムを狂わせることができたと思います。詳しいことは……。普通に見ていても分からないような、駆け引きですね(笑)!
――コリアカップでの収穫は?
昨年からスピードのあるテニスを追求し、準備を続けてきた成果が出ました。特にスピードが出るクレーコートで結果を残せたことは自信になりました。普段から速いテンポの試合を想定しながら、練習を積んできたので、いざ本番でも慌てることはなかったです。精神的にも楽でしたね。
――国際大会で結果を残したことで、来年のアジア競技大会への弾みにもなりましたか。
来年はハードコートなので、また戦い方は変わります。また別物で、そのための準備をしないといけません。まずは、代表の枠を取りたいです。
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※次回は10月に公開予定
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