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プレー&コラム
2016.03.30

成長期の今がチャンス!強いカラダをつくる12のカギ 第2回「胸を厚くするカギ」

水曜連載・身体と健康のおはなし

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講師●野沢秀雄

PROFILE
のざわ・ひでお/1940年生まれ。京都大学卒業。日本で初めてプロテインを開発。健康体力研究所を設立し、現在は顧問。社団法人日本ボディビル連盟で公認指導員講習会の講師を長年務める。身体作りやトレーニングについてメディアから多くの取材を受け、雑誌や新聞に多数連載を続けている。

胸囲が大きいと持久力が強く

krada_9学校での身体測定では、身長や体重とともに、胸囲の測定が長く行われてきました。胸囲は、胸郭といわれる左右12本の肋骨、背骨、胸の中心にある胸骨で囲まれた空間の広さを測っているのです。この数字が大きいほど、内部にある心臓、肺、胃などが大きいわけです。特に心臓や肺が大きいほど、スポーツに必要な持久力が強くなります。

サッカーや野球などの優秀なアスリートは、胸囲が100センチを超えることも珍しくありません。

大切な体力の指標なのに、近年は「女性の乳房のふくらみが恥ずかしい」という理由で、胸囲の測定がされなくなっています。これは大変残念なことです。「バストの大きいことイコール乳房の大きいこと」と解釈され、胸を大きくしたい女性も多いのですが、中学生なら変な手術をするより、今月紹介するトレーニングで胸郭を大きくすれば、きれいなプロポーションになりますよ。

胸を大きくするポイント

胸囲を増やすポイントは3つあります。まず成長期なら、骨自体が大きくなります。身長と同じで、適切なトレーニングと食事により、大きな胸郭や肩幅が出来上がります。

具体的には、ややきついA群のトレーニング直後で息がハーハーしているうちに、イラストB群のような胸を広げるトレーニングを行うことです。腕立て伏せを20回ほど行い、すぐにラテラルレイズ・ライイングを10回行うようにし、これを5回繰り返します。ラテラルレイズ・ライイングの代わりにプルオーバーを行っても効果があります。どちらか交互にやればよいでしょう。

第2のポイントは胸の筋肉をつけて厚くすることです。腕立て伏せは両足を高い位置に置いて行ったり、誰かに両足を持ってもらって行ったりすれば、胸の筋肉まで大きくなれます。イラストのようなディップスも自宅で簡単にできますしお勧めです。高校生になったら、バーベルやダンベルを使用してベンチプレスを行うと効果が上がります。もちろんマシーントレーニングも結構です。

第3のポイントは意外ですが、背中の筋肉を広げることです。逆三角形の体形になれば胸囲は確実に増えます。といって、ボディビル選手になるわけでないので、必要以上に広げることはありません。しかしながら背中にある多くの筋肉は、ソフトテニスなどでラケットを振る操作に深く関係しています。背中を鍛えると、ボールの強さ、スピードが確実に増えます。また、筋肉量が多くなると体重も増えて体力が増すのです。

以上、3つのトレーニングを週に3回、20〜30分で済むので、ぜひ継続して実行してください。

胸囲を大きくする食事のカギ

どんな食事をとれば早く胸囲が増えるか。原則としては前回の身長と同じです。筋肉も時々刻々と入れ替わっているので、その原料になるタンパク質を多くとればいいのです。

「肉や魚をあまり食べられない」という人には、納豆や豆腐がお勧め。チーズやヨーグルトも胃腸を強くするのに最適です。

ある中学生は納豆が良いと知ってから、毎日100回ずつかき回して食べる習慣にし、自宅で毎晩ディップス20回とラテラルレイズ・ライイング10回を交互に5セット実行したところ、なんと半年で胸囲が15センチも増えて、立派な疲れにくい身体に変身できました。

胸囲を増やすトレーニング

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  • 逆立ちのような姿勢で腕立て伏せを行うと、胸の上部の筋肉が盛り上がる。ディップスをすると胸の下部の筋肉が盛り上がる。
  • 呼吸法を間違えないことが大切。胸を広げながら吸い、戻しながら吐くこと。

胸囲を増やす食事

前回の身長同様、肉や魚、卵、プロテインなどは最適である。それ以外としては次の通り。

  • 納豆:100回かき混ぜて白くなってから食べる
  • 豆腐:絹より木綿のほうがタンパク質が多い
  • チーズ
  • ヨーグルト
  • 油揚げの味噌汁:卵を入れるとよい

強いカラダをつくる12の鍵、第2回「胸を厚くするカギ」は以上です。
連載はまだまだ続きます!予定は次の通りです!

イラスト/丸口洋平

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