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プレー&コラム
2016.04.27

成長期の今がチャンス!強いカラダをつくる12のカギ 第6回「ヒザと足首を強くするカギ」

水曜連載・身体と健康のおはなし

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講師●野沢秀雄

PROFILE
のざわ・ひでお/1940年生まれ。京都大学卒業。日本で初めてプロテインを開発。健康体力研究所を設立し、現在は顧問。社団法人日本ボディビル連盟で公認指導員講習会の講師を長年務める。身体作りやトレーニングについてメディアから多くの取材を受け、雑誌や新聞に多数連載を続けている。

華麗な足ワザは……

一流のサッカー選手たちの見事なボールさばきは、われわれを感嘆させます。その足ワザを可能にするのが膝関節(しつかんせつ)で、「蝶番関節」と呼ばれます。
「蝶番」とは大工道具で上のフタと下のフタを直結する役割を果たします。これは、ヒザの上とヒザの下を真っすぐつなぐだけで、ヒザを真っすぐ上に伸ばすか、下に下げる働きしかしません。
にもかかわらず、ボールを蹴るときは左右に方向を決めて、きれいなシュートが決まります。関節内部では左右どちらかに捻りが加わり、組織の損傷がたびたび起こります。ヒザの故障が原因で引退する選手がどんなに多いことか……。
ソフトテニスの練習や試合中にもヒザの向きが左右どちらかに偏ることがよくあります。体重のかかり方が時々刻々と変わるので仕方ないことです。コート内で滑って転び、ヒザの片側を打つ場合も多いでしょう。

関節を助ける筋

こうした複雑な動きの要求に応えるため、関節内部はイラスト(①)のように「ゆる構造」になっています。いくつかの靭帯がヒモで結ばれた状態なので、左右にかなりのアンバランスな力がかかっても簡単に切れないようになっています。さらに膝蓋骨(しつがいこつ=ヒザのお皿)や半月板はかなりの程度、遊びがあります。そして、関節を動かすための筋肉が同時に作動して関節の動きをカバーしてくれています。
今回ご紹介する「ハニ体操」(イラスト②)は、つま先をくっつけて、かかとを広く広げる動作と、その逆にかかとをくっつけてつま先を広く広げる動作を交互に繰り返す簡単な方法です。面白いことに、ヒザが痛んで困ったとき行うと、ひとりでに痛みがとれているんです! 自分だけでなく、周囲にヒザの痛みで苦しんでいる人がいればぜひおすすめください。もちろん予防に役立つので、練習前にぜひ。

足首はグルグル回し!

つまずく、踏み外す、転ぶ、そして捻挫など、スポーツの現場は危険と隣り合わせです。足首も痛めやすい部分ですが、血流を良くすることで解決できます。
③の足首まわしがその運動です。足の指先を握って大きな円を描くイメージでゆっくり時計回し、元に戻ったら今度は反時計回し。これを5回反復します。決してクルクル軽い気持ちで早回してはいけません。
せっかく足の指を触るので、ついでに④⑤⑥のように、指と指の間に手の指をはさみ、グイグイていねいに揉みます。どれも、何と気持ちの良いことか……。また、⑦のように足指を一本ずつ、ていねいに広げたり、引っ張ったりするのもいいですね。停滞しがちな血流が改善され、みるみる元気になってきます。
実はこれは「きくち体操」として知られていますが、私も以前から「やわらか体操」として普及させてきました。もし、ご両親や祖父母が体調不良で困っていれば、ぜひ教えてあげてください。手の指と指の間をしっかり揉むことも有効です。
なお、食事法に関しては前回の“肩とヒジを強くするカギ”と同様です。骨や関節を発達させるタンパク質を十分に摂りましょう。関節の内部にはグルコサミン、コラーゲン、コンドロイチンなどの軟骨成分が集まっています。小魚類、小エビ、肉や魚の皮や鶏の手羽先などをよく食べてください。これら軟骨成分を食べやすい錠剤にしたサプリメントも各社から発売されています。
最近は内視鏡下の最新手術法により、複雑な関節内にある靭帯を再建することも可能になったことが学会で発表されています。それでも、ケガをする前に、日々の運動や食事で意識をしてヒザと足首を強くしていきたいですね。
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強いカラダをつくる12の鍵、第6回「ヒザと足首を強くするカギ」は以上です。
連載はまだまだ続きます!予定は次の通り!

この内容は「熱中!ソフトテニス部」22号に掲載したものを再掲載したものです。雑誌のバックナンバーをお求めの方はBBM販売サイトよりご注文ください。

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